●各県の大学進学者、37県で流出超過~旺文社 (2016年10月11日)
教育出版の株式会社旺文社が、文部科学省が毎年発表している『学校基本調査』を基に、大学進学時における学生の都道府県別の流出入、および地元進学について分析し、その結果を公表しました。
分析により、各県の大学進学者についてみると、37県で流出超過していることがわかりました。
各県の大学進学者は、他県から「入ってくる方が多いのか」「出ていく方が多いのか」を比較。2016年の流入超過は都市部のわずか10都府県のみで、それ以外の37道県は毎年、数千人規模で流出超過を繰り返しています。自宅から他県に通学する場合も流出に含んでいるので、必ずしも「流出=県外転居」というわけではありませんが、それでも19歳にあたる若者が、かなりの規模で地方から出て行っているのは明らかとなりました。
大学進学における学生の県移動を考える場合、構成要素は「流出者」「流入者」、「地元進学者」の3つがあります。各県の地元進学率をみると、地元進学率は、全体的には上昇傾向です。ただし人数規模が大きく、上昇している東京都や大阪府に引っ張られがちで、個別に見ると下降している県も多いようです。アップダウンの要因は、最も大きなものは「経済状況(悪くなれば上昇)」、「地元の大学数(増えれば上昇)」が挙げられます。しかしそれ以外にも「受験生の地元志向」や「保護者の意向」、「その年のセンター試験の結果」なども影響すると考えられます。
18歳人口が減少の一途をたどる「2018年問題」を目前に控え、このタイミングで定員増を行なってきた都市部の大学も多いことからも、今後は都市部のブランド大が入りやすくなり、地方からの流出が増加、地方の地元進学率は下降する可能性があります。
地元進学率ランキングをみると、上位は毎年、都市部と北海道、沖縄県です。2016年度は、地元進学率が5割を超えたのは、9位の京都府まで。残りの県はすべて「地元進学率5割未満=大学進学者の半分以上が他県に流出」ということになります。
「都市部の一人勝ち」状況ですが、その一方で、東京の大学の「関東ローカル化」と、地方からの「東京離れ」もみられます。東京の大学の入学者を出身地別に集計すると、20年前は、「関東(周辺7 県+東京都)出身者=約70%」だったのが、2016年は約76%まで上昇。東京の大学は4人に3人が関東出身となります。
分析のまとめとして、地元進学率は、上昇傾向であり、東京離れも緩やかに進行しています。地域創生にあたっては、各地域は「大学進学時における若者の流出」を課題として、明確に捉える必要があるとしています。
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投稿者 kksblog : 2016年10月11日 19:52