●産学連携で「読解力」向上を目指す研究を加速~国立情報学研究所 (2016年08月02日)
国立情報学研究所では、知識基盤社会において核心的な学力である「読解力」を科学的に診断し、その高低が発生する要因を特定する研究に昨年度から取り組んでいます。この研究を加速し、欠けた部分を補う教育方法を考案して子どもたちの読解力を高め、日本の教育の質的向上に取り組むため、教育に関わる企業・団体などと共同で産学連携の「教育のための科学研究所」準備協議会をこのほど設置しました。
参加企業・法人は、学校法人高宮学園代々木ゼミナール、株式会社ベネッセコーポレーション、東京書籍株式会社、日本電信電話株式会社、富士通株式会社です。
国立情報学研究所では、昨年度より人工知能プロジェクト 「ロボットは東大に入れるか」の一環として、子どもたちが教科書に書かれているようなシンプルな文書をどれくらい正確に読むことができるかを科学的に診断するテスト 「リーディングスキルテスト」を開発し、複数の教育委員会や学校の協力を得て中学生と高校生に対して実施してきました。その結果、受験した公立中学校6校の生徒計340人のうち約5割が教科書の内容を読み取れておらず、約2割は基礎的・表層的な読解もできていないことが明らかになりました。
21世紀の知識基盤社会では一生を通じて知識やスキルを学び続けることが必要となり、そのためには義務教育である中学校の教科書の内容を正確に読み取れる力が重要な基盤の一つであると考えます。また、10~20 年後には、日本の労働人口の約半数の職業が人工知能やロボットなどで代替可能になると推測されることから、時代の変化に即して教育をデザインするためには、特定の理念やいくつかの成功事例だけでなく、大規模で客観的なデータに基づく科学が必要です。それらから、教育に携わる公的機関、企業、団体、研究者の幅広い連携が求められているのです。
協議会では、中学卒業時点において、すべての生徒が教科書を正確に読める力をつけていることを目指します。活動内容としては、生徒が教科書の内容を正確に読み取れる力を測るテストを実施し、テスト結果のデータに基づいて「なぜ読めないのか」という理由の分析、読解力の高低に関する要因の特定、診断方法の開発等を通じて欠けた部分を補う教育方法を考案し、読解力向上に向けての活動、テスト実施結果に関するデータベース等の作成および開発支援となります。
読解力はすべての教育の基本となるものですから、しっかり身に付けてほしいですね。
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投稿者 kksblog : 2016年08月02日 21:10