●「読むこと」の授業づくり〜小学校国語科映像指導資料を教育政策研究所が作成 (2016年05月05日)
国立教育政策研究所は、全国の教育委員会および小学校向けに、「小学校国語科映像指導資料」を作成しました。与えられた文章の意味を理解するにとどまらず、目的の宇治手必要な情報を得たり、互いの考えを交流しながら新たな意味を見出したりする、課題の発見と解決に向けて主体的、協働的に学ぶ授業づくりを行っていく必要がある、そうした授業改善のために作られたものです。
この指導資料は、「読むこと」領域における授業づくりを中心に、その改善の具体的な方策を授業実践という形で呈示しています。言語活動の充実を図った「読むこと」領域の授業改善を通して、子どもの読書生活をより豊かにすること、各教科での調べる学習などにおいて、より機能する能力を育成することなど、基礎的・基本的な知識・技能を活用して課題を探求することのできる国語の能力を身につけることができるよう、12の授業実践が映像で示されています。
一例として、第2学年で「アレクサンダとぜんまいねずみ」を教材とした実例をとりあげてみます。この実例では、「なでしこレオ=レオニ展」を開いています。教材作品と同じ作者の作品を探して、その中からお気に入りの場面や文を、登場人物の行動を中心に想像を広げながら読み、紹介する言語活動です。
まず「お気に入り」を見つけられるために、図書室ではいつでもレオ=レオニ作品を読めるようにする、教室にはレオ=レオニ関連グッズを掲示するなど、興味・関心を高めるための工夫をされていました。お気に入りを見つけるために「心にのこったよマーク」を作成、活用しました。本文の拡大表示に貼ることで、誰がどの場面のどの一文が心に残ったか、一目で分かるようになっています。そこで自分と違う視点を見つけたり、同じ箇所でも違う理由があったりと、交流することで共感や気付きを促しています。
国語が苦手、と感じる子どもは、登場人物の行動や気持ちを想像し、文章から読み解くことが苦手、というケースも多いのではないでしょうか。事例のように友だちと交流して新しく気付くことで、自分の読み方、考え方を見つけることができるかもしれません。この資料が、国語への苦手意識を持つ子を減らす助けになるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2016年05月05日 14:52