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インクルーシブ教育システム構築に向けた学校施設に関する調査を実施 (2016年04月04日)

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国立教育政策研究所が、障害のある幼児児童生徒の障害種に応じた学校施設における合理的配慮等に関する知見を得るため、「インクルーシブ教育システム構築に向けた学校施設に関する基礎的調査研究」を実施し、報告書を公表しました。

「インクルーシブ教育システム」とは、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。報告書は、平成26~27年度に実施したプロジェクト研究「インクルーシブ教育システム構築に向けた学校施設に関する基礎的調査研究」の成果を取りまとめたものです。

障害のある幼児児童生徒が、公立小中学校の普通教室などを含む一般の学校施設を利用するにあたっては、児童生徒等の障害種に応じた学校施設に関する「合理的配慮」の提供が必要です。そこで、地方公共団体等における学校施設・設備に関する合理的配慮の検討や「対応要領」等の策定の参考に資することを目的に調査研究は実施されました。

調査対象校で先行して行われた施設・設備に関する合理的配慮等の内容を、障害のある児童生徒等の障害種別に整理・分析したところ、いずれの障害種においても、主に校内の移動や学習・生活・安全面に即した施設・設備の整備が、合理的配慮として提供されていることが明らかになりました。

合理的配慮の事例としては、「車いすや補助用具(歩行器・杖)等の多様な移動方法を考慮し、昇降口の段差解消や校内動線の段差箇所にスロープを設置」「自分で体温を保持することが困難な児童生徒等が体温調整に適した良好な環境条件を確保できるよう空調設備を設置」「多機能トイレ、休憩用・着替え用のベット、高さ等の調節可能な机・椅子の設置」等が、基礎的環境整備の事例としては、「スロープ、エレベーター、手すり、トイレ、段差のない床面等、基本的な学校施設のバリアフリー対応を実施」が掲載されています。

施設・設備の合理的配慮の提供に係る留意点としては、「施設の計画・設計プロセスの構築」「校内環境のバリアフリー化」「災害時等への対応」「交流及び共同学習を支えるための配慮」等が挙げられています。

なお、インクルーシブ教育システム構築支援学校施設データベースが開設されており、分析対象とした109事例を、対象児童生徒等の障害種、在籍状況、合理的配慮の観点、施設・設備の整備状況それぞれの項目で検索が可能です。障害のある者と障害のない者ができるだけ同じ場で学べるように環境整備が進むといいですね。


「インクルーシブ教育システム構築に向けた学校施設に関する基礎的調査研究」報告書について | 国立教育政策研究所



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投稿者 kksblog : 2016年04月04日 18:04


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