●「勉強は将来の役に立つ」意識が増加?「学習基本調査データブック2015」 (2016年02月02日)
ベネッセ教育総合研究所では、「第5回学習基本調査」の結果から、「データブック2015」を公表しました。子どもの学習に関して、学校での学び、家庭学習や校外学習、学習に対する意識・意欲、進路意識など、広く実態をとらえ、経年での変化をみることを目的としたものです。
調査の対象は小学5年生、中学2年生、高校2年生の子どもたちです。第1回の調査が行われたのは1990年、以後1996年、2001年、2006年にそれぞれ実施し、今回の調査によって、実に25年におよぶ子どもの学習行動や意識の変化をみることができます。
調査の結果、全体的に子どもたちは以前より学習している、また学習に対して肯定的であると言えそうです。平均学習時間は小中高校生共に2006年より増加、1990年代には減少傾向にありましたが、小中学生は2001年を境に増加傾向にかわり、高校生も今回初めて増加に転じました。これには宿題時間の増加の影響もありますが、その内容も自分で調べたり考えたりするものが多くなっています。
授業で好きな学習方法をたずねた結果では、自分で考えたり調べたりする活動や、グループ活動に関する項目で上昇がみられました。また、考えたり調べたりしたことをいろいろ工夫して発表する授業は、全体的には「好き」と答えた割合は少ないものの、前回調査よりも大きくポイントが上昇しています。
また、勉強はどう役に立つか、という問いについて「心にゆとりがある幸せな生活を送る」「よいお父さん、お母さんになる」といった回答が大きく上昇しました。また社会観、将来観について、「いい大学」「一流の会社、仕事」といったステータスへの肯定感も高まっているようです。
この25年というのは、いわゆる「ゆとり教育」が本格的に導入され、その後「脱ゆとり」への方向転換と、教育が大きく動いた時でもあります。ゆとり教育が学力低下を招いたと批判されることが多いことや、就職難や非正規社員の増加といった社会情勢から、子どもたちにも「頑張って勉強して、いい仕事に就く」ことへの希望が高まっているのかもしれませんね。
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投稿者 kksblog : 2016年02月02日 16:57