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脳内の報酬のフィードバックが記憶を長期化する~東北大学 (2015年11月26日)

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東北大学の研究グループが、“脳内の報酬のフィードバックが記憶を長期化する”ことを発表しました。

これは、ショウジョウバエの長期記憶形成に重要な脳内の神経接続を発見したことによるもの。ハエの脳では、ドーパミンを放出する神経細胞が報酬を伝えますが、この細胞が自身のドーパミン信号のフィードバックを受けることによって、記憶が長期にわたって維持されることを明らかにしました。

一般に、長期に渡って情報を保存する「長期記憶」の形成のためには何度も反復学習を行う必要があります。しかし、毒、または食べ物といった生存に特に重要な情報は、一回の学習で長期記憶が形成されることがあることが知られています。

研究グループは、ショウジョウバエを用いてこの神経回路メカニズムを解明。ショウジョウバエは、砂糖を報酬として用いた一回の匂い条件付け学習により長期記憶を形成します。これまでに、砂糖による報酬情報は特定のドーパミン神経を通してキノコ体と呼ばれる神経構造に伝達されることが明らかとなっていました。今回の研究は、キノコ体はドーパミン神経からの報酬情報を受け取るだけでなく、別の神経を介してドーパミン神経を制御する「フィードバック回路」を形成し、このフィードバック回路が長期記憶の形成と安定化に重要であることを見出しました。

砂糖と匂いを用いた報酬学習時において、フィードバック回路を構成するコンポーネントのどれを抑制しても長期記憶の形成が著しく阻害されました。また、このフィードバック回路は学習時だけでなく学習直後にも重要であることがわかりました。これらの結果から、砂糖報酬という重要な情報がフィードバック回路によって一定時間「保持」され、それが長期記憶を形成・安定化することが示唆されます。

ドーパミン信号のフィードバックに関わる神経回路に機能不全を持つハエは、記憶が長続きしません。ヒトの脳でもドーパミンが脳の報酬情報に深く関わっていることから、研究成果は、選択的な長期記憶障害のメカニズムのモデルとなります。


脳内の報酬のフィードバックが記憶を長期化する | 東北大学

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投稿者 kksblog : 2015年11月26日 02:57


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