●学校施設の防災機能に関する実態調査の結果を公表~国立教育政策研究所 (2015年11月25日)
国立教育研究所が、学校施設の防災機能に関する実態調査の結果を公表しました。
全国の公立学校を対象として、災害時の避難所に指定されている学校の防災施設・設備の整備状況等に関する実態調査を行い、その結果を取りまとめたものです。
学校施設は災害時における地域住民の避難所としての役割を担っており、東日本大震災においても、地域住民の避難に大きく貢献しました。その一方、避難所となった学校では、電気や水の確保を始めとして様々な課題が見られました。
学校施設の防災機能の整備については、文部科学省が平成26年3月に公表した「災害に強い学校施設の在り方について~津波対策及び避難所としての防災機能の強化~」において、各々の地方公共団体の地域防災計画を踏まえ、学校設置者(教育委員会)、防災担当部局及び地域住民が連携して、個々の学校の立地条件や運営実態に応じた具体的な対策を講じることが重要であると示されています。このような状況を受け、昨年度に引き続き、学校施設の防災機能に関する実態調査が行われました。
避難所に指定されている学校数は、公立学校の90.5%(前年91.4%)、31,246校が指定されています。
教育委員会と防災担当部局が役割を明確にして連携・協力する体制を整えているか調べた結果、都道府県74%、市区町村等79%、合計では74%(前年68%)が地域防災計画等で体制を明確化しています。避難所として必要な施設・設備等を検討しているか調べた結果、都道府県54%、市区町村64%、合計では64%(前年60%)が検討済み又は検討中となっています。
各地方公共団体は、地域の防災計画に基づき当該地域の実情に応じて防災関係施設・設備等の整備に努めるものとされていますが、それぞれの整備割合は、平成18年度の調査以降、毎年度増加しています。例えば、備蓄倉庫等が敷地内に設置されている学校は52%、屋外から利用できるトイレが設置されている学校は71%、非常用の通信装置が設置されている学校は61%、停電に備えた自家発電設備等が設置されている学校は44%など。いずれも前年度より増加しています。
各学校施設の防災機能の在り方は、それぞれの地域の防災に関する計画の中で検討されるべきものであり、各学校施設の位置づけによって異なることから、各数値は一律に考えられるものではありません。しかし、このような調査結果を活かして、整備状況に差がなくなり、いざというときに安心できる体制づくりを確立しておきたいですね。
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投稿者 kksblog : 2015年11月25日 21:10