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ノーベル賞受賞の大村さん、大学院の母校東京理科大で講演「成功する人は出会いを大事にする人」 (2015年10月27日)

今年4月、日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋氏が副学長に就任し、来年度からはデータで経済を動かす人材を育成するビジネスエコノミクス学科を新設するなど、新たな改革に務める東京理科大学に新たなニュースが入りました。同大学大学院を修了した大村智氏(北里大学栄誉教授)のノーベル生理学・医学賞の受賞です。

IMG_6408.JPG10月25日に同大学葛飾キャンパスで行われたホームカミングデーに大村氏が登場し、講演が行われました。 当日は「科学と私、理科大と私を語る」をテーマに、元同学知財専門職大学院教授の馬場錬成氏がナビゲートを務め、働きながら学んだ当時の様子が語られました。大村氏は、山梨大学を卒業後、都立高校で教鞭を執りながら東京理科大学大学院修士課程を修了した努力の人です。開口一番大村氏は「産学連携の賜物。良いものを作るには産学連携がなければならない」と話しました。大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質である「エバーメクチン」を発見し、それがノーベル賞受賞につながっています。

都立高校では夜間に理科を教えていたそうです。体育の教員免許も持っていたものの、地元である山梨県では理科の教員を募集していなかったことから、東京都の教員採用試験を受けました。実験が好きで大学院でも夢中になっていたそうですが、研究は持続して行うことに意味がある場合が多いです。平日の夜は教員として生徒を指導し、金曜日の夜から土日はずっと研究室で実験を続けるという過酷なスケジュールを続けたそうです。

その後は、山梨大学の助手や北里研究所での勤務、アメリカの大学への留学などの経歴を積み、特にアメリカでは人脈を作り上げたといいます。そんな大村氏は、進行の馬場氏に「若い人たちへのメッセージをお願いします」と言われると、「人との出会いを大切にしてほしい。付き合いを大事にする人としない人では、社会で差がつく。袖触れ合う縁を生かす人が成功する人だと思う」と話しました。研究者でもあり教育者だなと思わせられる言葉ですね。

「イベルメクチン」は、アフリカなど寄生虫病に苦しむ地域に世界保健機構から無償で提供され、2012年までに延べ10億人に配られています。アフリカの子供たちと映った1枚の写真が会場に披露されましたが、その写真に写っていた一人の少年が先日テレビに出ていたそうです。18歳になった彼が村を発展させるために頑張っているという姿を見て、「現地の悲惨な状況を知っていたから、今が本当に嬉しい」と大村氏は目を細めました。

進行役の馬場氏からは、功績の一つとして大村氏が開院を提案した北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)について紹介がありました。日本で初めてヒーリングアートを取り入れた病院とのことです。大村氏は私財を投じた美術館の開館なども有名ですね。「21世紀は科学が進歩した時代ですが、22世紀は心を大事にする時代になる」と大村氏はアートを医療に融合させる意図を語っています。会場には大きな拍手が沸き起こりました。

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投稿者 kksblog : 2015年10月27日 16:06


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