« 「薬物使用は個人の問題」と小学生の7.2%が回答~日本薬物対策協会が教育関係者向けにイベントを開催 | トップページへ | 全国シンポジウム「いま改めて考えよう地層処分」を開催、東京ほか9都市 »

「のどごし」のあるパンを開発 関大生のアイデアをらぽっぽベーカリーが商品化 (2015年05月12日)

関西大学化学生命工学部(本部/大阪府吹田市)と「おいもさんのお店 らぽっぽ」や「道頓堀 くくる(たこ焼)」を展開する白ハト食品工業株式会社(大阪府守口市)は、同学部が開発したエノキタケ由来の“接着タンパク質含有エキス”を活用した新商品「おいも ぬくもりパン」(173円税込)を5月11日に発売しました。販売店はらぽっぽベーカリー四谷店、イオン大日店、太子橋今市店です(通販サイトでも販売予定)。

白ハト関西大学.jpg「おいも ぬくもりパン」は、同大学で実施している文理融合型プロジェクト「イノベーション対話プログラム こんなアイデアどうですか? ~食と技術とIdea~」で商学部の湯沢直己さんら4名による事業アイデアを、白ハト食品工業が商品化したものです。パンにはこれまでなかった表現「のどごし」を実現し、塩分はだしの塩分のみで、赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代に安全で安心して食べられるパンを提供しています。
関大化学生命工学部の河原秀久教授は「高齢者先進国である日本は、介護食、嚥下食の開発が発展途上にあります。業務用はありますが、一般用がまだまだ開発されていません」と話しています。現在の介護食は常食を2次調理したキザミ食やミキサー食が約7割ですが、それでは食の楽しみがありません。河原教授は、一般的で食事形態デザインや料理デザインをバランス良くした介護食の実現をめざし“接着タンパク質含有エキス”の研究に力を入れています。
エノキタケは鍋や炒めものなど様々な調理で利用すると思いますが、鍋を放置していると鍋底にエノキタケが張り付くという経験をした人は多いでしょう。河原教授らはその接着活性に注目し、エキスの分離に成功しました。この発見により、嚥下食のとろみ調整や寒天のゲル化促進、小麦粉などに付着することでパンやうどんの硬さが調節できるようになりました。
18歳からパンの道を歩んでいる白ハト食品工業のブーランジェパティシエ・前山政博さんは、らぽっぽの芋と出会い焼き芋を独自の製法で焼き芋パウダーにし、国産小麦に練り込み、もっちりとした日本人好みのベーカリーを作ってきました。「今回の商品は口の中で唾液と混ざることでさらに柔らかく飲み込みやすいのが特徴です。体に優しく安全、安心できるものを作りました」と胸を張ります。
商品のアイデアを生み出したチームの一人湯沢さんは、「“ぬくもり”と言う言葉には、孤食(個食)が増える中、家族が同じものを食べられる願いを込めています。白ハト食品工業の皆さんに試作品を作ってもらいアイデアが形になる喜びを味わいました」と話してくれました。家族が同じものを食べられる喜びは、食育の基本ですね。

写真は、左から二宮末己さん(白ハト食品工業 常務執行役員)、前山政博さん(白ハト食品工業 ブーランジェパティシエ)、河原秀久教授(関西大学化学生命工学部)、湯沢直己さん(関西大学商学部)、田中里佳さん(関西大学大学院理工学研究科)

« 「薬物使用は個人の問題」と小学生の7.2%が回答~日本薬物対策協会が教育関係者向けにイベントを開催 | トップページへ 全国シンポジウム「いま改めて考えよう地層処分」を開催、東京ほか9都市 »

最新記事一覧

投稿者 kksblog : 2015年05月12日 17:03


コメント
ブログ内検索
昔の記事を読む
メルマガ・RSSで読む
毎週木曜日、1週間分のニュースをまとめてお送りします(無料)。 <サンプルはこちら>【購読はこちら】
ネタを提供する
教育に関するネタ大歓迎。お気軽にどうぞ!!

KKSブログ for mobile
mobileaccess.gif
最新15記事をご覧いただけます。


KKS Web News 教育家庭新聞(C) KKS ブログトップ