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セルフメディケーションの一助でトクホ商品の拡大を (2015年03月03日)

■エノキタケ抽出物(キノコキトサン) パブコメ募集中

日本の国民医療費が39兆円を超え(平成24年度)、年々その数字は上昇する一方だ。そんな中、セルフメディケーションの視点から特定保健用食品(以下、トクホ)の制度が1991年に導入され、現在1000品目以上が表示許可を取得している。その表示許可には厳しい審査が必要だ。茶系飲料「蹴脂茶」のトクホ申請を手がけている㈱リコムの代表取締役・浜屋忠生氏は現在、エノキタケ抽出物でトクホ申請を目指しており「機能性食品は、食のもつ力を生かしたものでセルフメディケーションに役立つ」と語る。

トクホとは、身体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするのに役立つ、などの特定の保健の用途に資する旨を表示するもののことだ。製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要がある。許可が下りると「特定保健用食品」及び「条件付き特定保健用食品」として、許可マークが付される。
 リコム社が申請を行っている「蹴脂茶」の関与成分は、エノキタケ抽出物(キノコキトサン)で、機能性食品素材として脂肪の分解促進と脂肪の吸収抑制が認められていると科学的な証明も行ってきた。現在トクホの申請は消費者庁で執り行っており、2009年に申請を開始。その後、内閣府の消費者委員会で2年近く審議を受け、有効性と作用機序に関しては審査で了承された。
 だが、2013年から内閣府の食品安全委員会新開発専門調査会における3回に及ぶ安全性の審議後、2015年2月に特定保健用食品評価書(案)が出され、「安全性を評価することはできない」と判断された。
 
■機能性食品は「食」のもつ力

 浜屋氏は「安全性については調査済みで、そもそも日本人にとって食経験のあるエノキタケから抽出した成分。消費者庁、内閣府の消費者委員会の審議を通過して、同じ内閣府の食品安全委員会で認めらないのはなぜなのか」と疑問を呈する。
 同社は作用機序(効果を及ぼす仕組み)について、試験管上の試験「in vitro」と生体への試験「in vivo」、コンピュータによる仮想実験「in
silico」の3種で計8つの資料を消費者委員会に提出した。また、ヒト試験では有害事象すなわち副作用はないと結論づけられている。
 「機能性食品と医薬品では、開発方法が異なる。長い年月をかけてその食品がもつ機能が明らかになってくるのが機能性食品。安全性についての判断は納得し難い。トクホには注意喚起表示付きで認められているものもあるので、同様に認めていただきたい」
 機能性食品とは食が持つ力であり、医薬品とはそもそも安全性の評価方法が異なるという。
 平成24年度から始まった中学校の新学習指導要領の中では、保健に医薬品に関する授業が入った。増加する国民の医療費が背景にあり、セルフメディケーションの視点が盛り込まれたものだ。
 浜屋氏は「当社のためだけにこの申請を行っているのではない。セルフメディケーションの1つとして、多様なトクホの商品を増やしていくことは国民の健康にもつながる。そうなれば、国民医療費で迫する国の財政にも貢献できるはず。しかし、トクホの申請に当たっては莫大な研究予算がかかるため、このままでは中小企業はトクホが通らないのではないかと皆が諦めてしまうかもしれない。新しい機能性食品の可能性の芽を摘むようなものだ」と危惧する。

■パブコメを募集中

 現在、内閣府食品安全委員会、「蹴脂茶に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案) 」についてパブリックコメントを募集している。期限は3月5日だ。
 「まずはこのパブリックコメントの存在を知ってほしい。私がこうして声をあげることで“機能性食品”や“特定保健用食品”などに子供たちが興味を持つかもしれない。自分のキャリアを考えるきっかけになるかもしれないので、様々なチャネルの人に知ってほしい」と語る。


食品機能性素材について



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投稿者 kksblog : 2015年03月03日 22:09


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