●これからの学校教育を担う教員の在り方について~文部科学省 (2014年12月01日)
文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会において、これからの学校教育を担う教員の在り方についての審議が行われました。
具体的には、小中一貫教育制度における教員免許制度の在り方及び教員の養成・採用・研修の全体の在り方の二つの事項についてです。
社会が急激に変化する中、日本の教育も、知識基盤社会、国際化、人口減少社会といった時代の変化に即した対応が求められており、教育を支える教員についても新たな時代にふさわしい資質能力を備える必要があります。そのため、教員の養成・採用・研修に一貫性を持たせつつ、改革を進める必要があると考えられています。教員の養成・採用・研修の全体に共通する背景や課題、改革の方向性について議論するとともに、それらを踏まえつつ、まずは小中一貫教育制度における教員免許制度の在り方について検討し、報告が取りまとめられました。
まず、課題としては、新しい指導力の養成、近年の教育改革の方向に合わせた教員養成課程の充実が挙げられています。そのため、採用については、幅広い視野・専門性を持つ個性豊かな人材の確保、採用前に学校現場を経験する機会の充実が必要です。研修については、教員研修の機会確保、研修の体系化、国・地方・学校の有機的連携、研修成果の可視化が必要です。教員免許制度は、学校種を超えた連携や学制改革の検討をふまえ、次世代の免許制度の在り方について検討します。
改革の方向性としては、多様な専門性や経験を有する人材が多様な教育を行うこと、大学などにおける養成、採用、研修などの各段階を通じ、国・都道府県・市町村・学校などの取組主体が一貫した理念のもと、体系的に取り組むこと、日本社会や教育の将来像を描きつつ、現在行わなければならない取組を明らかにしながら改革に取り組むことが掲げられています。
小中一貫教育制度の整備について、小中一貫教育制度の円滑な導入・運用に必要な免許制度としては、小学校教員免許状及び中学校教員免許状の併有を基本とします。ただし、当分の間、どちらか一方の免許状で相当する課程の指導を可能とします。免許状併有促進のために、免許状取得要件上の工夫、免許法認定講習の開設支援といった環境整備を進めます。また、中学校教員による小学校における専科指導が一層促進されるための措置の検討、現行免許状での他校種における指導可能範囲の拡大の検討などを行います。
課題、改革の方向性を踏まえつつ、検討を進め、来年夏頃を目途として一定の方向性を示すこととなります。時代の変化に対応し、教員として必要な資質能力の備えにつながることが望まれますね。
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投稿者 kksblog : 2014年12月01日 18:18