●大学の教育改革、国際化、今後の課題などを調査~文部科学省 (2014年11月25日)
文部科学省が、平成24年度の大学における教育内容等の改革状況について調査を行い、その結果を取りまとめました。
大学における教育内容・方法の改善等の実施状況についてを調査することで、国民への情報提供に努めるとともに、各大学のより積極的な教育内容等の改善に関する取組を促すこと等を目的としています。調査対象は、国公私立767大学です。
調査結果によると、大学の教育改革は、コミュニケーション能力、課題発見・解決能力、論理的思考力等の能力の育成を目的とした授業科目を開設する大学数が、528大学から566大学に増加。ラーニング・コモンズの整備・活用を実施する大学数が257大学から321大学に増加。学修成果として、獲得した知識等を新たな課題に適用し課題を解決する能力の調査・測定を実施する大学数が83大学から110大学に増加し、着実に進展しています。
大学の国際化は、国外大学等と交流協定に基づくダブル・ディグリー制度を導入している大学数130大学から140大学に増加。学部段階において「英語による授業」を実施している大学数が222大学から241大学に増加し、こちらも着実に進展しています。
今後の課題と求められる取組としては、まず、「大学教育の質的転換に向けた改革サイクルの確立」が挙げられています。学部段階で、シラバスにおいて準備学修に関する具体的な指示は約55%、学生の学修時間等の調査は約40%、学修成果の把握は約36%の大学が実施していますが、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの明示とそれらに基づく教育課程の体系化・構造化、学生の学修時間等や学修成果の把握を行い、その分析結果を教育課程等の見直し・改善に結び付けていくことが重要です。また、教員の教育面における業績評価・顕彰は約62%の大学が実施していますが、その更なる展開や、大学の教育の内容及び方法の改善を図るための教員の組織的な研修等の活性化と専任教員の参加率を高めることが求められます。
次に、「社会人の受入れ」です。科目等履修生や聴講生として、就業者が約9,100人、その他(主婦、高齢者等で職業に従事していない者)が約11,800人の社会人が受け入れられていますが、履修証明プログラムの証明書交付者数は前年度より減少。大学が、社会人の学修動機に応える魅力ある教育プログラムの実施や社会人に配慮した学修環境の整備等を通じて社会人の受入れを促進することは、今後ますます重要です。
そして、「学長を中心とした教学マネジメントの確立」です。学長補佐体制等の学長を中心とする運営体制の確立には約60%、教学マネジメント確立のための学長と教授会の役割の明確化には約22%の大学が取り組んでいますが、学長のリーダーシップの下で戦略的に大学を運営できるガバナンス体制の構築と、教学マネジメントの確立が求められます。
大学の改革が着実に進展し、学生から社会人まで広く受け入れた学修環境の向上につながるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2014年11月25日 21:31