●数学イノベーションの推進に向けての戦略~文部科学省 (2014年10月15日)
文部科学省が、数学イノベーション委員会の「数学イノベーション戦略」についての審議内容を公表いたしました。8月28日に開催された「科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会」においてが審議・了承されたものです。
近年の社会の複雑化や情報化、計算技術の進歩、計算機性能の飛躍的向上などに伴い、ビッグデータの意味を理解することの重要性の増大、複雑な現象や問題の増加等、様々な社会的・技術的要因から数学を必要とする機会が飛躍的に増加。欧米のみならず近年はアジア諸国においても、数学と諸科学・産業との連携研究拠点の整備など、様々な取組が実施されています。そのため、諸科学の共通言語である数学の持つ力(具体的実体を抽象化してその本質を抽出し、一般化・普遍化する力)を十分に活用して、様々な科学的発見や技術的発明を発展させ、新たな社会的価値や経済的価値を創出する革新を生み出していくこと(数学イノベーション)が不可欠と考えられています。
数学イノベーション推進に必要な方策として、1.数学へのニーズの発掘から数学と諸科学・産業との協働へつなげる活動、2.数学研究者と諸科学・産業との協働による研究の推進、3.数学イノベーションに必要な人材の育成、4.情報の発信、成果の展開が挙げられています。
数学的なアプローチによる解決法を探るための「出会いの場」、「議論の場」が必要であり、数学と諸科学・産業との協働による研究課題の具体的推進が期待されます。また、諸科学・産業との協働への参画や国際交流による人材の育成、大学の数学教育研究組織における人材の育成、数学の有用性を諸科学・産業の研究者・技術者のみならず次代を担う子どもや一般の方に認識してもらうための情報発信が必要です。
推進方策を実施し、協働による研究成果が蓄積し社会に広がることで、自然に数学研究者と諸科学・産業との接触が生まれ、研究へと発展し、その成果がさらに新たな数学の活用につながるようになること、すなわち、自律的に数学イノベーションが進むようになることが期待されています。数学の持つ力が社会に貢献されるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2014年10月15日 11:07