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日本の青年の自尊感情は低い?~諸外国の若者の意識と比較 (2014年06月11日)

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内閣府が『平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』を公表しました。

調査により、日本と諸外国の若者の意識を把握し、日本の若者の意識の特徴などを分析します。そしてその結果を子ども・若者育成支援推進法第8条に基づく大綱の推進やその見直しの際の参考資料とします。

調査領域は、人生観関係、国家・社会関係、地域社会・ボランティア関係、職業関係、学校関係、家庭関係。調査対象は、日本、韓国、アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの満13歳から満29歳までの男女です。

人生観関係の自己認識について。「自分自身に満足している」という自分への満足感についての調査結果をみると、他国に比べて際立って低い値。他国の平均値はどちらかというと「自分に満足している」ことになりますが、日本だけ「自分に満足していない」ことを表した結果でした。

有識者によると、日本の青年の「自分への満足感」の低さをどのように捉えたらいいのかというと、どのような要因が関連しているのかを検討する必要があるということです。

日本の青年の場合、10代中頃から20代前半までは、男子に比べ女子のほうが満足感が低いのに対し、それ以降は女子のほうが「自分への満足感」が高くなる傾向。青年期の途中で男女の「自分への満足感」の高低が入れ替わるのは、日本だけで、他国の場合は概ねどの年齢においても、男子よりも女子のほうが満足感が低いようです。

これまでも欧米の主要な研究では、青年期から老年期前期あたりまで、男性に比べ女性のほうが、自尊感情が低いという結果に。日本がこれと明確に異なる発達パターンを示しているのは、日本の青年の1つの特徴です。

しかし、日本の青年が自尊感情が低いと言えるわけではありません。自己有用感についてみれば他国とはさほど差がみられません。年齢でみると、日本の青年では14歳~23歳ごろまでは女子のほうが「自分を役に立たないと強く感じる」程度が高いが、それ以降は男女によるはっきりとした違いはみられません。

青年における「自分への満足感」と自己有用感がどのように関連しているのかを検討すると、日本の青年は、「自分への満足感」が高いほど、「自分は役に立たないと強く感じる」程度が低くなりますが、他国の青年は、ほとんど相関がみられません。つまり、日本の青年は「自分への満足感」は低いが、それは自己有用感との関連で考えられた上での結果であること、他国の青年は「自分への満足感」が自己有用感とはあまり関係なく考えられている可能性があるということから、日本の青年の満足感の低さは、自己の有用性に関する判断と関連した上での自己評価であり、他国の青年とは異なる基準で捉えられた結果である可能性が考えられます。

「自分への満足感」が高い国の青年の特徴は、「長所」や「主張性」「挑戦心」といった自分自身の特徴やスキルによって、「自分への満足感」が影響を受けやすいということ。他国は対自的な自己認識の要因によるものであるのに対し、日本の青年の「自分への満足感」の低さは、対自的な要因のみならず、対他的な自己認識の要因によっても影響を受けていることが考えられます。

日本の青年の自尊感情の特徴とは、長所や主張性といった個人の特性と関連しながらも、他者にとって自分は役立つ存在であるかという有用性と分かち難く結びついたものであるという点で、他国の青年にみられない特徴をもつということのようです。


平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 | 内閣府



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投稿者 kksblog : 2014年06月11日 17:35


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