●学力に影響を与える要因分析に関する調査研究のために保護者に調査 (2014年04月07日)
文部科学省が実施している平成25年度全国学力・学習状況調査の追加調査として、「保護者に対する調査」と「教育委員会に対する調査」が実施されましたが、その調査結果が公表されました。
「保護者に対する調査」は、全国学力・学習状況調査の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究で、家庭状況と学力の関係、不利な環境にも関わらず成果を上げている学校や児童生徒の取組を分析するものです。平成25年5月下旬から6月下旬に、抽出した公立学校の児童生徒の保護者を対象に実施。調査内容は、子どもへの接し方、子どもの教育に対する考え方、教育費等です。
分析結果によると、まず、家庭の社会経済的背景が高い児童生徒の方が、各教科の平均正答率が高い傾向が見られました。家庭の社会経済的背景と子どもの学力との間には強い相関があるようですが、しかし、家庭の社会経済的背景が低いからといって、必ずしも全ての子どもの学力が低いわけではありません。なお、子どもの学習時間は、全ての家庭の社会経済的背景で学力との関係が見られることから、学習時間は不利な環境を克服する手段の一つと考えられます。
学力高い児童生徒には、朝食等の生活習慣がしっかりしている、読書や読み聞かせをしている、勉強や成績に関する会話があるといった特徴がみられました。
不利な環境においても成果を上げている学校もあります。学校全体の学力の向上に効果を上げている学校では、家庭学習の指導の充実、管理職のリーダーシップと同僚性の構築、小中連携の取組の推進といった共通の特徴が見られました。また、学校内の家庭の社会経済的背景による影響を縮小する学校の取組としては、放課後を利用した補充的な学習サポート、算数の授業における習熟度別少人数指導、家庭学習の課題の与え方に関する教職員の共通理解といったものが挙げられています。
保護者が、生活習慣や読書、学習に関する働きかけや子どものとのコミュニケーションに積極的であり、学校との関わりが深いといった要因が、家庭の社会経済的背景の影響を取り除いても、子どもの学力は高い傾向です。また、「教育委員会に対する調査」からは、言語活動の充実のための取組、グローバル人材育成のための取組、独自教材の開発・普及といった取組を行っている市町村教育委員会ほど、教科の平均正答率が高い傾向であることがわかっています。子どもを取り巻く環境の影響が大きいことを大人が理解し、整えてあげる努力をしていく必要があることがわかる結果ですね。
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投稿者 kksblog : 2014年04月07日 10:44