●問題解決法をひらめく直前に脳細胞活動のゆらぎが上昇~東北大学 (2013年12月18日)
東北大学の研究グループが、「ひらめき」の兆しとしての脳の中の「ゆらぎ」が上昇することを突き止めた研究結果を発表しました。
問題解決課題を遂行中、具体的な解決手順を思いつく際の前兆として、脳の前頭前野の神経細胞活動のゆらぎが上昇することを新規に見いだしたのです。この「ゆらぎ」を的確にとらえることができれば、たとえば大地震、株価の暴落、伝染病の発生といった急激な変化(相転移)、深刻な事態に対して、事前に対処したり準備したりすることができるかもしれないということです。
状態Aから状態Bに相転移する場合、一度状態Aが不安定になるため、ちょっとした外乱に弱くなり、「ゆらぎ」の増大として現れるそうです。このような、相転移を起こす直前の「ゆらぎ」の増大は、複雑なシステムにおける「臨界ゆらぎ」と呼ばれています。
日常生活では、問題解決する場面で、様々な考えが浮かんだり消えたりする心の状態から、“ハッ!”と解決法をひらめいた状態に移ることを体験することがあります。その前兆現象として、脳皮質の神経細胞活動の「ゆらぎ」は上昇。つまり、日常体験に対応する現象が、神経細胞活動レベルで存在することを意味しています。
問題解決法を思いつく前後では、前頭前野における神経細胞活動の状態が大きく変化すること、その大きな変化の直前に、つまり、問題解決法を思いつく直前に、解決法をひらめく前兆(臨界ゆらぎ)が見られることを示唆しているのです。
この研究成果を発展させ、人間の意思決定に伴う脳の状態変化の前兆を捉える技術の開発が進めば、精神疾患患者における病的な意思決定の診断法や、ユーザーの心に素早く反応する革新的な脳・機械インターフェースの開発につながることが期待できるそうです。人間の脳の動きと同じ動きを持つロボットが誕生するかもしれないですね。
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投稿者 kksblog : 2013年12月18日 21:14