●「算数好き→嫌い」のポイントは?7小学校の計算力の実態と算数に対する意識 (2013年12月06日)
ベネッセ教育総合研究所は、「小学校の計算力の実態と算数に対する意識」をテーマに、全校の公立小学校の15校における、1年生から6年生を対象に調査を行いました。2007年に行われた第1回調査に続く2回目の調査で、新旧の学習指導要領のもとでの、小学生の計算力を把握することができます。
学年別でみると、1年生・2年生の計算の正答率は95%前後と、前回同様によくできています。旧学習指導要領による計算が、かなり下の学年に移行したために3~6年生の計算内容がレベルアップしていますが、計算力は各学年で向上しているようです。その一方で、未知数を求める計算や、四則混合の計算など、思考を要する計算には課題がみられました。
新学習指導要領の特徴の一つに、同じ題材を何度も用いて、学習する内容のレベルを上げながら理解を深めていく「スパイラル学習」があります。これは全般的には問題なく取り入れられていますが、3年生の割り算に課題があるようです。また割り算では、5年生で学習する少数の割り算、特に割り切れない割り算が苦手な子が多いようです。整数の割り算と違い、指定された桁数まで割進める、概数で求めるといった、多様な結果表現が出てくることがその原因として挙げられています。
算数への意識について、算数が「好き」な子の割合は学年が低いほど高く、3年生から4年生の間に大きく差がありました。4年生に学習意欲低下のキーポイントがあると見られ、特に計算の苦手な子は、4年生で「好き」から「嫌い」へ移行する子が多いようです。また、「難しい問題が解けた」「いろいろな考え方ができる」など、考えることができた体験が、算数の学習の中で「うれしい」と感じることにつながっているようです。
学習指導要領の切り替えによって、計算能力についてはやや向上がみられましたが、意識等についてあまり変化はみられませんでした。今後、計算能力が定着することで応用問題や意識への変化ももたらされるかもしれません。算数で「わかって楽しい」という声が子どもたちからたくさん聞かれるようになるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2013年12月06日 23:08