●育った地域によって脳の音声処理が違う?!東京方言と東北地方南部を比較 (2013年10月29日)
理化学研究所は、日本語の単語のピッチアクセントを処理する際、脳活動の左右の半球の反応差が、東京方言話者と東北地方南部方言話者間で異なることを発見しました。
日本語の多くの方言では“雨”と“飴”の違いをピッチの上昇と下降で区別しますが、これを単語のピッチアクセントと呼びます。しかし、東北や九州地方の一部にはピッチアクセントを使わない、無アクセント方言と呼ばれる方言が存在します。
過去の研究から、母語(生まれ育った環境で取得した言語)で単語の意味に関わる音の違いに対しては、左半球が優位とされ、文の抑揚などの違いは、その優位性が現れないことが知られていました。しかし、同じ言語内の方言の違いでも同様な変化が見られるのかは今まで分かっていませんでした。
そこで、同研究グループは、ピッチアクセントを使う標準語の東京方言話者と無アクセント方言を使う東北地方南部方言話者を対象に、異なる方言環境で育った話者間で脳反応に違いがあるかどうかを調査。
その結果、“雨”と“飴”のようにピッチアクセントで区別される単語を聞き分ける際に、東京方言話者は、左半球優位の反応を示したのに対し、東北地方南部方言話者は左右同程度の反応を示しました。
このことから、同じ日本語でも東京方言話者は、ピッチアクセントの違いを単語の違いとして処理しているのに対し、東北地方南部方言話者は抑揚の違いとして処理していると考えられます。
つまり、言語処理における左半球優位性は、自分が育った方言環境の影響が大きい可能性があるということを示しているのです。
同じ日本国内で話す言葉が違うというのは、子どもたちにとっても面白い話題ではないでしょうか。家庭での団欒の時間に、まだ行ったことのない場所の話をしてみるのも楽しいでしょう。
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投稿者 kksblog : 2013年10月29日 20:03