●おいしく安全な給食のために 「学校給食施設・設備の改善事例集」 (2013年10月24日)
文部科学省では、「学校給食施設・設備の改善事例集」を同省のホームページで公開しています。安全安心でおいしい学校給食を提供するため、学校給食施設・設備の改善の在り方について、また状況に応じた衛生管理を充実するための改善例です。
これまでも文部科学省では、学校給食による食中毒ゼロを目指し、様々な取組を行ってきましたが、これからも調理従事者の衛生管理意識の向上、そして施設・設備の充実、改善を図ることが必要です。そこで、早急に改善が必要な調理場において参考となるよう、今回の改善事例集がまとめられました。
学校給食を原因とする食中毒の発生件数は近年減少傾向にありますが、衛生管理を充実させるためには、適切な作業工程表・作業動線図の作成や厨房機器の衛生的な取扱いなど調理作業面の他、教育委員会や校長・調理場長が行うべき施設・整備面の整備が重要な課題となっています。
平成21年度に実施された調査では、汚染作業区域と日汚染作業区域が区分されている調理場は88.5%、床が水浸しになっているウェットシステム調理場において、床が乾いた状態で調理や洗浄作業を行うドライ運用を実施している調理場は82.4%にとどまっていました。
また「平成23年度学校給食の衛生管理に関する指導者派遣事業」において、634の調理場を対象に行った「学校給食における衛生管理等に関する調査研究」の結果によると、汚染作業区域と日汚染作業区域の区分や用途別シンクの設置、調理従事者専用トイレの個室内手洗い設備の整備等は、いずれも50%に満たない状況だということです。
こうした施設・設備面の改善が速やかに行われない主な要因としては、多額の費用がかかることや、整備計画が設定されていないことが挙げられます。限られた財源の中で設備を整えることは容易ではないでしょうが、学校給食の意義が、児童生徒の心身の健全な発達を助けることであると考えれば、健康を害する恐れのある状況はできうる限り早急に改善されるべきでしょう。設備の安全性、そして充実する人の意識が、常に高くあってほしいですね。
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投稿者 kksblog : 2013年10月24日 09:41