●明かりを灯してくれる植物たち ミニ企画展「江戸のあかりと灯用植物」 (2013年10月16日)
国立科学博物館筑波実験植物園では、11月1日(金)から11月10日(日)まで、ミニ企画展「江戸のあかりと灯用植物」を開催します。「灯用植物」とは江戸時代、あかりを点けるための油として使われた50種類以上の植物です。
灯用植物を紹介することで忘れつつある植物利用の知識を思い出すと同時に「あかり」という視点を通して、身の回りにある植物を、自然科学的な視点とは別の視点から眺め、植物を見る目を養うことがこの企画展のねらいです。さらに、資料を見て植物を観察するとともに、火打ちや火おこし、油しぼりを体験できる他、和ろうそくの制作実演も行います。
灯用植物には、イヌガヤ、エゴマ、ハシバミ、ツバキなどが例としてあげられます。多くは果実を搾って油脂分を取りだします。日本では江戸時代まで、こうした植物油を燃やして明かりにする灯火が一般的でした。また江戸時代は地場産業が盛んになり、流通も発達して、一般の庶民も明かりを使えるようになった頃です。また油の原料としてだけでなく、燈火器やそれに火を点けるために必要な火口やつけ火など、地方により様々な植物を上手に利用していたようです。
この企画展中に、さまざまなイベントが行われます。11月3日には「展示案内」、研修展示館にて、専門家による展示解説が行われます。午前11時からと午後2時からの2回行われ、各回先着30名です。同じく3日に、教育棟にて「和ろうそく実演」があります。和ろうそく職人による、和ろうそく制作の様子を公開します。午前10時からと、午後1時30分からの2回です。
体験イベントは「火をおこそう」と「油をしぼろう」があります。「火をおこそう」は11月2日と10日、多目的温室にて、火打ち石や、木と木を擦る「火切り」を使って火をおこす体験ができます。「油をしぼろう」は教育棟にて、11月2日、4日、9日、10日に行われます。ツバキやエゴマなどの種子から油を搾って、明かりを灯します。
最近では火を点ける時もライターなどの道具を使い、マッチすら日常では使う機会が少なくなっています。植物油で灯す明かりと、普段使っている電気との違いが実感できそうですね。
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投稿者 kksblog : 2013年10月16日 06:02