●暗記でなく「地理力」を問う 科学地理オリンピック選抜大会の参加者募集中 (2013年10月03日)
第8回科学地理オリンピック日本選手権、兼、第11回国際地理オリンピック選抜大会の参加者募集が始まりました。2014年1月11日(土)に第一次選抜、2月23日(日)に第二次選抜、3月16日(日)に第三次選抜が行われます。
科学地理オリンピックとは、暗記力ではなく「地理力」を競うオリンピックです。「地理」というと、地名をどれだけ知っているか、世界の諸事情にどのくらい通じているかを競うものと考えがちですが、地理オリンピックで問われるのは「場所を見抜く力」とそれを「的確に表現する力」なのです。
試験は「記述」、「マルチメディア」、「フィールドワーク」の3種目で行われます。「記述は」地理の総合力を問う試験です。地形図や資料、景観写真を見て、与えられた問いに答えます。基礎的な知識は必要ですが、学校や受験などの試験と違うところは「こう書けば100点満点」という答がないところです。写真や資料の読解・分析し、読み取った事柄をどのような答えに導くか、すなわち論理的な構成力が求められるのです。
「マルチメディア」は、写真や地図、グラフなどを使って、その読み取りに重点を置いた4択の問題です。基礎的な知識と資料の読解力が問われます。最後に「フィールドワーク」では、競技者はあらかじめ定められたコースを歩きます。途中に設けられたチェックポイントでは、地形断面図や土地利用図の作成など「地理的スキル」を問う課題をこなします。さらに「その地域がどのような特色を持っているのか、どのような課題を抱えているのか、その課題に対してどのような対応が考えられるか」といった地域を総合的に捉える出題がなされます。
他の科学オリンピックでは、引率者が問題を一旦母国語に訳し、生徒の回答を再び英語に訳すことが認められていますが、地理オンリピックは全て英語で出題、英語で回答が義務づけられています。そのため、国内予選会でも全体の2割が英語による出題で、代表選考にあたっては語学力が加味されます。ただ採点においては、きれいな文章よりも論理的なまとまりがあり、的確な用語を使っての表現が重視されます。
前回の第10回では、銀メダル1名、銅メダル1名という結果でした。2名の受賞は日本の参加以来初の快挙です。ポーランドの古都クラクフで行われるという、第11回でも活躍を期待したいですね。
« 女子高生との共同開発商品「チェリオ ときめきパンプキン」が発売になります | トップページへ 『スティグリッツ公共経済学』電子教科書の活用実験開始、マルチデバイスに対応 »
最新記事一覧
- 学研教育出版、11月20日(木)に大阪で学力向上セミナーを開催(2014年11月07日)
- 「Yahoo!あんしんねっと」が、すべてのAndoroidスマートデバイス向けに提供開始
- 動画対応アクセスポイントを開発、15年春から発売開始(2014年11月06日)
- 小学校の外国語活動、高学年の実施時間数は増加、課題は教員の指導力(2014年11月05日)
- 各地域での取組を紹介「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」公表
- 名古屋文化の祭典「やっとかめ文化祭~芸どころ・旅どころ・なごや~」11月24日まで開催中(2014年11月04日)
- 子どもの「貧困ギャップ」は08年から12年にかけて増加~ユニセフ報告書
- 採点の負担解消「手書き採点リンク」Ver.5.0無償アップグレード開始
- 『公立学校施設における津波対策状況調査』を実施~文部科学省
- 「第2回 科学の甲子園ジュニア全国大会」の出場チームが決定しました(2014年10月31日)
- 国内にて過去最大規模のユネスコ会議を開催~文部科学省
- 誰でも使える!スキャナ付き3Dプリンタ複合機「ダヴィンチ 1.0AiO」
- 教職員アンケートに見る学校別「動画教材の利活用実態」~ 8割が『動画教材を教育活用したい!』~導入ネックは「作成時間・コスト」で11%増
- 日本の大学の国際的な競争力向上のために 大学関係者を対象としたセミナー(2014年10月30日)
- 全国の事例を集めた「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」(2014年10月29日)
投稿者 kksblog : 2013年10月03日 09:12