●ゼロエネルギー化に向けて学校施設のエネルギー使用実態を調査 (2013年09月30日)
国立教育政策研究所が、学校施設のエネルギー使用実態等の調査を実施しました。
環境に配慮した改修整備を行う学校施設における改修前後の建物仕様、運用実態及びエネルギー使用量等の継続した調査を行い、その相関性を分析把握することにより、今後の学校施設整備に係る文教施設施策に資することを目的として調査研究を行っています。
研究結果から、学校全体のエネルギー使用量に対し、学校が運用されていない時間帯(夜間)にも消費する一定のベース電力によるエネルギー使用量の占める割合が、2~3割強あることが明らかになりました。
これまでは学校のエネルギーといえば、照明、暖房、冷房等、運用に関わる用途での消費が主なものであると考えられていましたが、調査で学校全体の一次エネルギー消費量に対し、ベース電力による一次エネルギー消費量の占める割合が相当大きいことがわかりました。
今回調査を実施した学校は、校舎形状、規模、所在地(気候風土)、暖冷房方式、教育的配慮を含めた運用実態等様々な面において異なり、年間のエネルギー消費量もそれぞれ異なります。そのため、ゼロエネルギー化も視野に入れたエコ改修を検討する際は、学校ごとにエネルギー消費量、温熱環境、運用実態等を適切に把握し、多様な視点からの検討が必要であることが明らかになりました。
ゼロエネルギー化に向けては、夜間・休日に電源をOFFにできる仕組みの採用、晴天時など必要照度が得られる条件の時における消灯の励行、空調区画の整備や空調区画を確立させるためのドアの採用、学校の電力容量の使用実態を把握し、負荷率と効率を考慮した変圧器の選定などが提案されています。
学校施設は、子どもたちが一日の大半を過ごす学習や生活の場であることから、環境対策の推進に当たっては、適切な教室内環境の確保と省エネルギー・省資源対策の両面から取り組む必要があります。学校ごとに適切な環境に配慮した改修整備が実施され、環境負荷低減につながるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2013年09月30日 17:05