●企業は地域にどんな貢献ができるか「企業とボランティア活動に関する調査」 (2013年09月07日)
国立教育政策研究所では、企業によるボランティア活動についての調査を行い、その結果を取りまとめた報告書を作成・公開しました。活動の中でも、特に地域コミュニティの課題解決のために企業がどのように参加し、貢献しているかという観点で調査を行い、今後の社会教育行政との連携の在り方を探るねらいがあります。
平成7年、阪神・淡路大震災があった年は「ボランティア元年」とも呼ばれ、地域におけるボランティア活動が活発となりました。また東日本大震災では、企業の支援活動もクローズアップされています。その一方で、地域に根ざし地道に社会貢献活動を行ってきた企業も多く存在していることはあまり知られていません。こうした現状がこの調査を行うに至った背景にあります。
聞き取り調査は平成24年10月から平成25年2月にかけておこなわれました。聞きとりを行った企業には、コンピューターソフト、証券、事務用品などさまざまな業種があり、それぞれに得意分野を活かした活動や、ボランティア活動のための休暇制度を設けるなどしているようです。
企業のボランティア活動は、地域の活性化と共に、社員教育にも役立っているようです。また、社員がボランティア活動によって生きがいを持つことができ、それが企業のモチベーションを高めることにつながっているという効果が聴かれました。さらに行政において、企業と連携・協働を行ったことを通じ、企業が地域課題を相談できる良きパートナーであり、施策の推進者でもあることが認識できたとあります。
地域が活性化することは、そこを拠点とする企業にとってはメリットであり、行政にとっては目的である、すなわち両者にとって一致する利益です。しかし社会教育行政にとっては営利企業との直接的な連携には誓約が多く、地域の地縁組織や多様な非営利組織とパートナーシップを結ぶためのコーディナーター的な役割を担う存在が必要であることが見えました。
利益を生むべき企業と、無償で尽力するボランティアとは一見相容れないように思われますが、ボランティアには実践するための「力」が必要です。人や資金を持っている企業には、その力があると言えるでしょう。また「地域の皆の役にたつ」ことで、従業員の意気が上がる効果があることも示唆されています。震災復興だけでなく、日々の小さなことからでも、ボランティアに取り組む企業が増えてくるといいですね。
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投稿者 kksblog : 2013年09月07日 23:09