●地域社会で行われている、防災教育・減災教育のために行われている取り組み (2013年09月05日)
国立教育政策研究所では、今後の社会教育における防災教育・減災教育の推進に資するため、地域における防災教育・減災教育の特色ある事例について調査を行いました。この結果を整理分類し、取りまとめたものを「社会教育における防災教育・減災教育に関する調査研究報告書」として公表しています。
この調査は平成24年10月から12月にかけて行われたものです。実施主体によって防災教育・減災教育の取り組みを「社会教育施設」、「行政」、「社会教育関係団体」、「民間・NPO等」の4つに分類し、分類ごとに先駆的・特徴的な事例を対象とし、17の事例について聞き取り調査を行いました。
これらの調査から、防災専門組織・行政・大学等が協働して防災に関する学びの場を設定するなど、多様な主体が役割を明確にしながら連携・協働して、防災力を向上させる取り組みが行われていること、公民館のネットワークを生かして災害時における地域での助け合いを図る取り組み等、防災教育・減災教育を推進するうえで地域資源や人材を活用する仕組みづくりが行われていること、など、今後の各地域における取組の参考となる聞きとりが得られました。
中で東北の太平洋側の地域や、北海道の奥尻町といった、大地震による津波の被害を経験している地域からは、津波体験からの教訓を記録に残し、地域住民の経験を風化させない取り組みの話が聞かれました。また雲仙普賢岳の噴火による災害に見舞われた島原半島では、ジオパークや市民ガイドなどの地域資源を活かし、噴火災害の教訓や遺構を伝え、防災・減災教育を推進する取り組みをしているということです。
また、避難所における授乳やトイレなどのプライバシーにかかわる問題等、女性の視点による防災活動・教育を展開し、災害に備えた地域づくりを進める取り組みを行っている団体など、特定の地域や災害ではなく、幅広く応用できそうな事例もありました。
大きな災害が起きたとき、国や自治体といった大きな組織よりも、まず初めに地域の力を発揮すべきなのではないでしょうか。まずは自分自身を守り、次にそこに暮らし、働いている人同士が助け合うことが、被害を最小限に食い止めるために大切ですね。
« 記憶を整理する大脳シナプスの運動と抑制伝達物資の関与を研究 | トップページへ ジョイデス・レゾリューション号の地球を知る旅346 NEWS展示開催中!国立科学博物館 »
最新記事一覧
- 学研教育出版、11月20日(木)に大阪で学力向上セミナーを開催(2014年11月07日)
- 「Yahoo!あんしんねっと」が、すべてのAndoroidスマートデバイス向けに提供開始
- 動画対応アクセスポイントを開発、15年春から発売開始(2014年11月06日)
- 小学校の外国語活動、高学年の実施時間数は増加、課題は教員の指導力(2014年11月05日)
- 各地域での取組を紹介「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」公表
- 名古屋文化の祭典「やっとかめ文化祭~芸どころ・旅どころ・なごや~」11月24日まで開催中(2014年11月04日)
- 子どもの「貧困ギャップ」は08年から12年にかけて増加~ユニセフ報告書
- 採点の負担解消「手書き採点リンク」Ver.5.0無償アップグレード開始
- 『公立学校施設における津波対策状況調査』を実施~文部科学省
- 「第2回 科学の甲子園ジュニア全国大会」の出場チームが決定しました(2014年10月31日)
- 国内にて過去最大規模のユネスコ会議を開催~文部科学省
- 誰でも使える!スキャナ付き3Dプリンタ複合機「ダヴィンチ 1.0AiO」
- 教職員アンケートに見る学校別「動画教材の利活用実態」~ 8割が『動画教材を教育活用したい!』~導入ネックは「作成時間・コスト」で11%増
- 日本の大学の国際的な競争力向上のために 大学関係者を対象としたセミナー(2014年10月30日)
- 全国の事例を集めた「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」(2014年10月29日)
投稿者 kksblog : 2013年09月05日 15:38