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震災後に被災地の子どもの心に与えた影響は?~文部科学省 (2013年08月21日)

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文部科学省は、2012年5月に行った『非常災害時の子どもの心のケアに関する調査』の結果を公表しました。

調査は2011年の東北地方太平洋沖地震に係る災害救助法が適応された地域に該当する国公私立幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の5,075 校。東日本大震災に伴う子どもの心身の健康状態を的確に把握し、子どもの心身の健康状態に応じた行政、学校等の適切な対策を講じる際の基礎資料を得ることを目的として実施されました。

PTSDに関連する症状として、震災前と異なる子どもの様子について保護者に聞いたところ、「物音に敏感になったり、イライラするようになった」「災害を思い出すような話題やニュースになると、話題を変えたり、その場から立ち去ろうとする」割合が高いことがわかりました。

PTSDが疑われる症状4項目につき1つでも該当する子どもの割合は14.1%。地域的には福島県、宮城県で高い傾向が見られました。学校種別では、特別支援学校、幼稚園、小学校の順で高い傾向で、年齢の低い子どもほどPTSDが疑われる症状の割合は高いようです。

一般的な心身不良の症状としては、「睡眠が十分とれなくなった」「頭痛、腹痛、心臓の動悸、過呼吸、めまい等がおこるようになった」などが挙げられています。

一般的な心身不良の症状5項目につき1つでも該当する子どもの割合は7.3%。地域的にはやはり福島県、宮城県で高い傾向です。学校種別では、幼稚園が最も低く、小学校、中学校、高等学校がほぼ同等で、特別支援学校が最も高い割合でした。

子どもの心の健康問題に対する取組の現状としては、健康観察の実施はなされている一方で、心のケアに関する知識、理解は取組の割合が低いようです。「組織体制の構築」や「支援者のメンタルヘルス」の領域では、取組の割合は低く、特に保護者や地域の専門機関との連携、保護者の心の安定に関する取組の割合が低いことがわかりました。

PTSDの可能性が疑われた子どもは1割以上で、専門機関での治療を受ける必要のある子どもは多数にのぼりそうですが、ほとんどの被災地では専門機関が不足している状況のようです。そのため、被災地以外から児童精神科医を確保するなどして、地元の医師や都道府県の民生部局と連携し、子どもの治療およびフォローアップを行っていくことが必要です。まずは自然災害、目に見えない放射線災害の恐れ、子どもの心身にどのようなストレスを与えているか、各機関が連携して慎重に健康観察を続けていくことが大切ですね。


平成24年度非常災害時の子どもの心のケアに関する調査報告書 | 文部科学省



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投稿者 kksblog : 2013年08月21日 22:21


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