●“ダーウィニズム”が脳の学習能力の源泉~効果的な教育に期待 (2013年07月17日)
東京大学先端科学技術研究センターの高橋宏知講師らが、ラットに音学習をさせた実験と情報理論による解析によって、脳の機能マップの面積と神経細胞の多様性が連動して変化することを発見しました。
私たちの大脳皮質では、脳の領域ごとにそこが担う機能が決まっており、これを図示したものが、脳内の機能マップです。しかしこれまでは、機能マップが、脳の情報処理において、どうして必要なのか、またどのように役立っているかはわかっていませんでした。
今回の発見では、学習途上のラットの聴覚野は音に反応する神経細胞が増え、それに伴い様々な音に反応する細胞が現れ、神経反応の多様性が増加することがわかりました。一方、学習終盤では音に反応する神経細胞が減り、その多様性も減少することがわかっています。
これらの結果から、脳にとっての学習とは、多くの神経細胞を情報処理に参加させて、神経活動の多様性を増やすことで、効率的に解を発見することであると示されました。
また、学習の効用とは、一旦、解を発見した後、無駄な神経活動を排除することで、効率的な情報処理を獲得することであることも示されました。
同研究の成果は、脳の動作原理に進化論の視点を取り入れた神経ダーウィニズムの仮説を裏付けるもので、将来的に効果的な教育、創造性の涵養、リハビリなどの分野でより高い学習効果を発揮する方法論の確立に寄与することが期待されています。
人間の体はまだまだ解明されていない部分も多く、謎に満ちています。最新の発見を調べてみると、子どもたちの自由研究のヒントになりそうですね。
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投稿者 kksblog : 2013年07月17日 12:37