●赤ちゃんの人見知りは「近づきたいけど怖い」心の葛藤 (2013年06月14日)
JST(科学技術振興機構)が、赤ちゃんの「人見知り」行動が、相手に近づきたい(接近行動)と怖いから離れたい(回避行動)が混在した状態、すなわち「葛藤」状態であることを発見し、さらに相手の「目」に敏感に反応することを明らかにしました。
生後半年を過ぎた多くの赤ちゃんには「人見知り」が表れます。これまで人見知りは、単に他人を怖がっているのだと考えられてきましたが、なかには快と不快の感情が混在している「はにかみ」を表す赤ちゃんもいて、「怖がり」だけでは説明がつきませんでした。また、赤ちゃんが相手の何を怖がっているのかについても調べられていませんでした。
研究では、赤ちゃんの「人見知り」度合いと、相手への「接近」と「怖がり」という2つの気質の関係を調査。その結果、人見知り傾向の強い赤ちゃんは、「接近」と「怖がり」の両方の気質が強く、「近づきたいけど怖い」という「心の葛藤」を持ちやすいことが推察できました。
さらに、人見知り傾向が高い赤ちゃんを調べ、母親と他人の顔映像では顔のどこに注目するかを調べた結果、母親でも他人でも、最初に目が合った時に「目」を長く注視すること、また、自分と向き合った顔とよそ見をしている顔の映像では、よそ見をしている顔を長く観察することがわかりました。
これまで学童期にみられる人見知りの原因とされる「接近と回避の葛藤」が、1歳前の赤ちゃんでも見られることが初めて示されたのです。そして、この成果は、赤ちゃんの「目の動き」を手がかりとした「心の葛藤」をモニターできるツール開発や、気質検査による個別能力開発への応用が期待できるそうです。また、人見知りのメカニズムを知ることで、逆に人見知りを「全くしない」とされる発達障害の理解にも役立ちます。
「相手に近づきたい」そして「相手から離れたい」という、相反する行動の狭間で、相手の目を凝視しつつも、相手に見られ続けると目をそらしてしまう。逆に、相手が目をそらすと、相手をよく観察している。誰にでもあると思われる行動が、わずか1歳前の赤ちゃんにも本能的に表れることに驚きですね。
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投稿者 kksblog : 2013年06月14日 14:42