●日常の表現はできても、社会性のある話題は苦手―高校生の英語力を検証 (2013年04月06日)
文部科学省のホームページで、平成24年度「外部検定試験の活用による英語力の検証」報告書が公表されています。外部検定試験すなわち、民間事業者により開発されたテストを行い、その結果から生徒の英語力・学習状況について把握・分析を行うとともに、今後の指導の改善に活かすことを目的としています。
この調査から、日常生活の身近な話題については、英語で理解する・表現することができる生徒が相当数いたものの、社会性のある話題についての理解・表現には課題がありました。また英文を英語のままで理解すること、同様の内容で表現が言いかえられたものを理解することが難しいようです。リスニングについても、会話や英文の概要や要点を把握すること、情報量が多い英文の内容を聞き取ることに課題が見られました。
ここから、授業で社会性のある話題を含んだ教材を使い、生徒に簡単な調査をさせる、成果を発表させるなど、英語に慣れさせると共に日頃から問題意識を持つように指導すること、多様な語彙や表現に触れ、それらを使用するように指導することなどが今後の指導改善のポイントとして挙げられました。
この調査は、公益財団法人日本英語検定協会の「英語能力判定テスト」、株式会社ベネッセコーポレーションの「GTEC for STUDENTS」のそれぞれをベースにした試験を実施し、さらに学校に対して質問し調査を行ったものです。いずれの試験も「聞くこと」「読むこと」「話すこと」および「書くこと」の4技能を対象とし、全受験者の17%がスピーキングテストを受験しています。
テストについては2種類の問題がありましたが、全平均とそれぞれの試験の全国平均との間に大きな差は見られませんでした。この調査は今回が初回であり、次年度以降は成績の変化と指導方法などのとの相関関係を分析する予定となっています。
日本の教育で英語は決して軽視されてはいないにも関わらず、「英語力」には乏しいと言えます。すなわち今の英語学習では「使える」英語は身についていない、ということでしょう。英語を生きたものにするための工夫が、今後の英語教育にはますます求められてくるでしょうね。
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投稿者 kksblog : 2013年04月06日 00:01