●キャリア教育の推進は着実に推進、具体的な取り組み・理解は未だ不十分 (2013年03月24日)
国立教育政策研究所では、全校の公立小学校・中学校・高等学校を対象に、「キャリア教育・進路指導に関する総合的実態調査」を行い、キャリア教育の現状と課題に焦点をあてて第一次報告書を作成しました。この調査は7年に1度実施されているもので、平成17年の実施時は中学校・高等学校を対象に実施されましたが、今回は小学校も対象に加えられています。
近年では、小学校から発達の段階に応じたキャリア教育の推進・充実が強く求められている状況を踏まえ。調査対象を小学校まで広げたとともに、キャリア教育の実態を把握するための新規項目を多く設定し、キャリア教育に焦点をあてて調査を実施しました。
キャリア教育の推進に関する学級担任の認識は、小・中・高とも97%を超え、前回調査の中35.0%、高40.0%と比べて飛躍的に上昇しています。一方で、キャリア教育を通じて育成する具体的な能力について、教員の理解は不十分で、キャリア教育に関する校内研修に参加したことがないという回答も多く見られました。
小・中・高とも多くの学校がキャリア教育の担当者を配置し、指導計画を作成している等着実に推進されていますが、小学校では取り組み率が中・高よりも若干低くなっています。特に「キャリア・カウンセリング」を年間指導計画に組み込む割合が小学校では1割を下回っています。これは単に卒業直後の進路相談ではなく、子どものキャリア発達を促すための個別支援であることを認識する必要があるとしています。
中・高で行われる職場体験・就業体験については、卒業者・保護者ともに高く評価しています。また活動だけでなく、日々の授業が将来の生き方や進路を考える上で役立つと回答しています。その一方で、就職後の離職・失業等将来起こりうる人生上の諸リスクへの対応についての指導を求める声が多くなりました。
後継ぎの意識が薄れている現代では人生の選択肢が広がり、その分子どもたち、若者が自分の将来について考えなければならないことが増えているとも言えます。子どもの頃から自分たちの人生について考え、体験する機会を作ることが今後もますます重要になっていきそうですね。
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投稿者 kksblog : 2013年03月24日 06:54