●フサオマキザルにもヒト同様の複雑な感情機能が?身勝手な人物を嫌う傾向に (2013年03月18日)
藤田和生氏 文学研究科教授、James R. Anderson氏 英国スターリング大学リーダーらのグループにより、フサオマキザルが、第三者間の、自身の利害に全く無関係なやり取りから、当該他者を感情的に評価することが明らかとなりました。
ヒトは感情の動物だといわれます。喜びや悲しみなどの基本感情だけではなく、愛情や妬みなどの多様な派生的感情を持ち、自身に直接利害の及ばない事象に対しても、種々の感情を抱きます。しかし、こうした複雑な感情機能の進化の過程は十分に解明されていませんでした。
今回の研究では、これを検討するため、豊かな表情を持ち、協力的で、寛大な社会を形成することで知られる新世界ザルの一種フサオマキザルに、2人の人物がモノをやり取りする演技を見せました。
両方の人物が同時にサルに食物を差し出した時、サルはどちらを選んでも同じなのに、援助要請に応えることを拒絶した人物からの食物の受け取りをしばしば回避するという結果になりました。因みに、ここで言う援助拒否というのは、人物Aがモノが入った容器を開けようとして人物Bに援助を求めますが、人物Bは横を向いて拒否をするという条件下に基づきます。
続いて研究2では、第三者同士のやり取りで、公平なお返し行動をする人物と、公平ではない行動をする人物に対するフサオマキザルの反応を分析。2人の人物が手持ちの物体を交換する場面、つまり双方が公平な交換をする場合と、公平な交換を一方が拒絶する場合を見せ、研究1と同様に、直後に人物を選択させると、サルは公平な交換を拒絶する人物をより回避しました。
これらから、フサオマキザルは、第三者間の、サル自身にとって無価値な物体のやり取りから得た情報に基づいて、当該人物に対する好みを形成し、他者の「値踏み」のような行動を示すことが明らかになり、ヒト同様の複雑な感情機能を持つことが明らかとなったのです。
この機会に、動物たちの気持ちを考えて行動することの大切さを、もう一度子ども達と一緒に話し合ってみてはいかがでしょう?
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投稿者 kksblog : 2013年03月18日 19:38