●平均より優れていると思うことは心の錯覚?脳内メカニズムとの関係が明らかに (2013年03月07日)
放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラムの山田 真希子主任研究員らは、自分は平均より優れていると思うことは心の錯覚で、脳内メカニズムがこの錯覚に関係していることを世界で初めて明らかにしました。
多くの人は、自分は平均より優れていると思う傾向があります。例えば、知能や技能、望ましい性格などについて、平均的な人と比べてもらうと、多くの人が自分は平均より上だと錯覚することが心理学研究で示されています。このような優越の錯覚を持つことによって、人は未来の可能性を信じて目標に向かうことができると考えられています。
一方、抑うつ状態では、自分について現実的なとらえ方をすることが知られています。これまでこの錯覚の心理学的意義は注目されてきましたが、その生物学的なメカニズムは不明でした。
今回、同研究者らは、優越の錯覚の程度を認知心理課題で測定し、脳にある線条体注のドーパミン受容体密度注と安静時の脳活動を画像診断装置のPETとfMRIで計測。
これら3つの関係性を調べた結果、優越の錯覚の程度が大きい人ほど、行動や認知注を制御している「線条体と前頭葉注」の機能的結合が弱いこと、この機能的結合が、線条体におけるドーパミン受容体の密度に依存していることが分かりました。
今回の発見は、人間の本質の生物学的基盤に迫るものであり、今後新たな領域横断的な学術への発展、そしてこの脳内システムを調整することが、抑うつの現実主義に対する新たな治療戦略になりうることが期待されています。
科学や数字でさまざまなことが解明されていくと、人間の心理がより理解しやすくなっていくのかもしれませんね。
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投稿者 kksblog : 2013年03月07日 21:42