●21世紀の少子化対策について考えるための縦断調査 厚生労働省 (2013年03月30日)
厚生労働省では、少子化対策、子どもの健全育成などに関する施策の企画立案、実施のための基礎資料を得ることも目的とした、21世紀出生児縦断調査および21世紀成年者縦断調査の特別報告をホームページで公開しました。21世紀出生児縦断調査とは、21世紀の初年に生まれた子どもの実態及び経年変化の状況を継続的に観察するもので、21世紀の初年である平成13年度から実施しています。
また21世紀成年者縦断調査とは、平成14年10月末時点で20~34歳であった全国の男女およびその配偶者を対象としたもので、調査対象となった男女の結婚、出産、就業などの実態及び意識の経年変化の状況を継続的に観察するもので、平成14年度より実施されています。
仕事と結婚の関係を見てみると、「正規雇用」の男女に比べて「無職」や「パート・アルバイト」「派遣社員」などの男女は、結婚を「絶対したい」と思う者が少ないようです。また、男女とも収入が高いほど結婚しやすい傾向があり、特に男性の30歳以上でそれが顕著に表れています。
また出生の状況を見ると、結婚している男女について、妻の就業形態が「パート・アルバイト」「派遣社員・契約社員・嘱託」では、「正規雇用」に比べて第1子が生まれにくいという結果がみられます。現代では「仕事か子どもか」という選択肢ではなく、「子どもを持てる経済力があるか」ということなのでしょうか。また第1子の出生後に、夫の育児参加が多いほど第2子が生まれやすいようです。少子化対策には「イクメン」は必須のようですね。
第1回の調査時、希望する子どもの数を、女性を対象に聞いています。今回の調査で、希望子ども数を実現している割合は約7割でした。一方で希望する人数が実現できていない人の要因としては、夫の希望子ども数が妻より少ないことの他に、平日日中の保育者が妻のみ、妻の勤務先に育児休業制度があるが利用しにくいなど、夫婦の仕事とのバランスがとれないことが挙がっています。
この結果から、これからの少子化対策には、単に景気が安定することではなく、男女が協働で仕事・育児を行うことが求められていると考えられます。しかしワーク・ライフ・バランスを実現させるためのインフラ整備はまだまだできていないと言わざるをえないでしょう。出産をあきらめずにすむような、安心して子どもを産むことができる社会が実現するといいですね。
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投稿者 kksblog : 2013年03月30日 02:31