●惑星誕生の謎を解明する「穴」と「腕」 すばる望遠鏡がとらえたその姿 (2013年02月22日)
私たちが暮らす地球も含め、太陽系の惑星は、太陽の周りにあったガスや塵のかたまりから生まれたものです。星々も生き物と同じように、生まれて育ち、やがて老いて消えていくという「一生」を過ごします。そして「若い」恒星の周りでは、まさに惑星たちが生まれようとしているところが見られるのです。
総合研究大学院の研究者を中心とする研究チームは、さそり座J1604星と呼ばれる若い星の周囲にある原始惑星系円盤を、すばる望遠鏡を使って観測し、惑星が円盤に作る「穴」とその名部に伸びる「腕」構造を、直接撮像することに成功しました。
若い星の周りには、円盤状のガスと塵のかたまりが取り巻いています。この円盤は「原始惑星系円盤」と呼ばれ、構成が生まれ成長するのと同時に、自然に作られる構造です。この円盤の中で、塵が集まって小さな天体「微惑星」ができ、微惑星同士が合体衝突することで惑星が誕生すると考えられています。このとき、塵は円盤の外側にはたくさんあるけれど内側では少なくなっており、これが円盤内の「穴」として観測されます。
この穴の内部には形成途中の惑星があることが予想されます。しかし穴を観測するのはとても困難でした。何しろすぐ内側には明るい中心星があるのですから。今回、研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された惑星探査用赤外線カメラHiCIAO(ハイチャオ)および大気揺らぎの影響を補正する保証光学装置を使って観測を行い、原始惑星系円盤の中に存在する穴と、穴をまたぐ「腕」を鮮明に写し出しました。
この腕は曲がっていることがすばる望遠鏡によって突き止められており、その形状や曲がる角度などは、円盤中に惑星が存在する場合におこる現象について、理論研究の予想を反映していました。この研究・観測が続けられることによって、惑星誕生の謎が解かれていくと期待されます。身近なような、途方もないような話ですが、なんだかワクワクしてきますね。
« 過去10年間に聞かれたことのある面接の過去問を紹介、「模擬面.com」 | トップページへ 高等学校卒業予定者の就職内定状況について調査結果公表 文部科学省 »
最新記事一覧
- 「土曜授業推進事業」に関する調査研究の公募~文部科学省(2014年09月01日)
- チエル・NEC、レノボら7社が共同で普通教室における児童・生徒に1人1台のICT環境を活用した授業の実証研究を開始
- 中学校の理科にもっと観察・実験を!観察・実験の指導資料集を作成|千葉県(2014年08月30日)
- 中学校の理科にもっと観察・実験を!観察・実験の指導資料集を作成|千葉県
- Web会議サービスをはじめ、「V-CUBE」のアップデートを実施(2014年08月29日)
- 1990年からの活動を振り返る「アジアの子どもたちの絵日記展」9月9日より東京・丸の内
- 「EduTown(エデュタウン)」がオープン~東京書籍株式会社
- 英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する審議のまとめ(2014年08月28日)
- 自分を見つめなおす「エンディングプラン」-授業での活用も視野に
- 先進的な取組を実施する大学を支援「大学教育再生加速プログラム」(2014年08月27日)
- デジタス仙台、プロ仕様の無線トランシーバーや「即」伝達のIP無線を販売
- ニッケ商事、被災者の声を反映した「災害備蓄マット」を発売
- ライト・サービス、4つ折りコンパクトストレッチャー「LS-1F2」を発売
- 正しいルールで、安全第一「平成26年秋の全国交通安全運動」(2014年08月21日)
- スウェーデンの人気陶芸家が初の大規模展示「北欧の豊かな時間 リサ・ラーソン展」9月11日より東京で開催
投稿者 kksblog : 2013年02月22日 21:51