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光によってグリア細胞のみの働きを活性化、運動学習が加速することを発見 (2012年12月08日)

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自然科学研究機構生理学研究所の松井広(マツイコウ)助教らの研究グループが、光によってグリア細胞のみの働きを活性化させること(光操作)に成功したことを明らかにしました。

今回、同研究グループは、遺伝子改変技術を使い、脳のグリア細胞の働きを、光で自在に操ることができるマウスを作り出しました。電気で細胞を刺激するといった従来の手法では、神経細胞の働きとグリア細胞の働きを区別できていませんでした。

そして、グリア細胞から放出されたグルタミン酸が、近くの神経細胞に届くと、シナプスが変化して、以後、このシナプスでの信号の伝わり方が変化することがわかりました。

小脳のグリア細胞の活動を光操作したところ、眼の運動学習がより速く進み、マウスは眼の前で動くものをより良く追うことができるようになりました。

今回の研究で、グリア細胞を光刺激することで、学習が加速することがわかりました。グリア細胞の活動を何らかの方法で操作することで、効率的に学習を進める方法や、効果的に脳機能を向上させる手法が開発されることが期待できます。

たとえば、心のもっとも重要な機能のひとつとして意識が挙げられますが、この意識は、麻酔薬によって一時的に失われることが知られています。しかし、その作用機構は実は良く分かっていません。近年、麻酔薬を投与することによって、グリア細胞の活動が強く抑制されることが示されました。

同研究グループの研究では、グリア細胞の活動は神経の活動へと伝わることを示しています。これをあわせて考えると、グリア細胞の活動こそが心の状態を作り出す根源になっている可能性があります。これも、これまでの脳科学の考え方に転換を迫るパラダイム・シフトと言えます。

心に占めるグリア細胞の役割が解明できれば、グリア細胞の活動を制御することで、さまざまな心の病に対処しようという動きも生じ、グリア細胞をターゲットにした医薬品の開発も視野に入る可能性があります。

日々解明されていく謎に向き合い、子どもたちの好奇心をくすぐるような話をしてあげられるといいですね。

脳の中のグリア細胞の働きで、運動学習が加速することを発見/自然科学研究機構 生理学研究所



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投稿者 kksblog : 2012年12月08日 15:09


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