●予測される報酬が大きければ大きいほどやる気につながる?脳の仕組みを発見 (2012年12月03日)
自然科学研究機構 生理学研究所の橘 吉寿(タチバナ・ヨシヒサ)助教は、米国NIH(国立衛生研究所)の彦坂 興秀(ヒコサカ・オキヒデ)博士と共同で、大脳基底核の一部である腹側淡蒼球と呼ばれる部位が、"報酬"の量を予測し"やる気"につなげる脳の仕組みに強く関わっていることを明らかにしました。
研究グループは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる脳の大脳基底核の一部である腹側淡蒼球に注目し、サルに、特定の合図のあと、モニター画面上である方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュースをもらえるようにトレーニングし、そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録しました。
その結果、腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図をうけてからジュースをもらえるまで、持続的に活動し続けることを発見。予測される報酬(ジュースの量)が大きければ大きいほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなりました。
この神経細胞こそ、得られる“報酬”を予測して、“やる気”をコントロールする脳の仕組みの一部であると考えられます。
橘助教は「腹側淡蒼球を薬物で一時的に働かなくすると、行動の機敏さが(“やる気”の差を生み出す)報酬量の違いによって影響を受けなくなりました。これらの結果から、腹側淡蒼球が、“報酬”を予測し、“やる気”を制御する脳部位の一つであることが分かりました。これによって、報酬に基づく学習プロセスの理解が進むことが期待されます」と語っています。
子ども達が苦手な科目に取り組む際には、少しでもやる気を持ってもらう工夫が必要ですね。
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投稿者 kksblog : 2012年12月03日 18:31