●人類が誕生の地から世界中に拡散する道をたどる「グレートジャーニー展」 (2012年11月29日)
国立科学博物館では、平成25年3月16日(土)から6月9日(日)まで、特別展「グレートジャーニー」を開催します。「グレートジャーニー」の名前は、フジテレビで放送されたドキュメンタリー番組から知っている人も多いのではないでしょうか。この特別展はまさに、この番組をベースに、人類拡散の歴史と辺境で逞しく暮らす人々の姿、そこから考えるこれからの人々の暮らしを、人類学・考古学・民族学などの学問のラインを越えた多角的な展示内容で見せてくれます。
そもそも「グレートジャーニー」とは、アフリカに生まれた人類が、世界中に拡散していった人類最大の旅路を、イギリス人の考古学者ブライアン・M・フェイガンがそう名付けたものです。そして1993年、日本人探検家の関野良晴氏は、「グレートジャーニー」の家庭を自らの腕力と脚力を頼りに、動力を一切使わず逆ルートで体験する旅に出ました。南米大陸のナバリーノ島から人類誕生の地・東アフリカまで、8年3ヶ月の歳月をかけて旅したのです。
関野氏は、この特別展の監修者の一人であり、開催にあたって次のようなメッセージを送っています。
「私は41年間に5000日以上かけて世界の辺境を歩き、自然と一体となって生活する人々と暮らしを共にしてきました。この展覧会では、人類の大先輩達が培ってきた知識、技術とともに、こうした伝統社会に今なお生き続けている知恵の数々をご紹介します。これから私たちがどのように生きていったらいいのかを、彼らの生き方をヒントにして、一緒に考えていきたいと思っています。」
地球上のあちこちに拡散していった人類、今では地球上にその「生息地」は広がっています。そして熱帯や乾燥地帯、極北、高地といった、人間が住むのに決して快適ではない場所で暮らす人々もいます。過酷な環境でも生活を可能にした〝生きる知恵〟と文化を見て、追体験していくことで、「人間の生きていく強さ」が再発見でき、自身の未来をも考えることになるでしょう。
本展の象徴と位置づけられる360万年前の人類が家族で連れ立って歩いた、人類最古の化石をはじめ、世界最古のミイラ文化や南米部族の「干し首」など、人類の歴史にちりばめられた謎など、インパクトのある展示も数多く見られます。驚きと感動を体感しに、ぜひ足をはこんでみませんか。
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投稿者 kksblog : 2012年11月29日 14:17