●「手」は進化によって得た道具 企画展「ものづくりの未来」国立科学博物館 (2012年08月27日)
国立科学博物館では、9月8日(土)から9月14日(金)の期間、企画展「発見!体験!先端研究@上野の山シリーズ ものづくりの未来—生命の進化をたどって—」が開催されます。なぜ私たちはものをつくるのか?ものづくりはどのように発達史、今後どのように進むべきなのか?それを生物の進化のプロセスを通じて探り、未来に役立つものづくりを展望します。
この企画展は国立科学博物館と金沢工業大学との共同主催で、東京国際科学フェスティバルにも参加しています。常設展示入館料のみで観覧することができます。ヒトがものづくりを始める出発点は、手を「道具」として自在に使いこなせるようになったことです。手を移動の仕事から解放した、二足歩行に至るまでの、生物の進化の道のりをたどり、さらに感覚や脳の働きなどにもせまります。
生命が進化して「ヒト」という生きものが誕生するまでには、生物による生き残りのための、どんな工夫があったのか。生きものが地上に進出した時、泳ぐための「ヒレ」を「手足」に変えた時の工夫、こういったことを、コオロギの観察映像、シーラカンスロボットなどを通じて学んでいきます。そして道具としての手の働き、さらに手足、感覚、脳の働きを拡張した、ヒトが作り出した「道具」の変遷を辿ります。
「ものづくり」には手という道具の他に、発想し、設計する「脳」と、それを体に伝えていく「感覚」が必要です。今日の文明は、脳と感覚・身体との共同作業の成果とも言えるのです。「脳」と「感覚」についての研究を、さまざまな体験コーナーや、匂いセンサを搭載したロボットの展示などから紹介しています。
そして、近年私たちの生活に欠かせないものとなっているコンピュータ、もとは計算の道具として発明されましたが、現在では身近な道具からロボットなどに組み込まれています。そこで、コンピュータやロボットに「足りないもの」はないのか、体験ゲームなどから探ります。
この企画展の概要から「ものづくり」というものが生物、ヒトの進化に深く関わっていることが分かります。それでは未来のものづくりはどうなるのか。展示の最後には現在のテクノロジーが抱えている問題を整理し、解決策のいくつかが提案されています。便利な「もの」に支えられている現代社会について、振り返ってみる機会になりそうですね。
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投稿者 kksblog : 2012年08月27日 06:34