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「空気を読む」脳の行動は、シミュレーションと行動観察の合わせ技だった (2012年06月28日)

mizu_120628.jpg「相手の気持ちになって考えなさい」、子どもの頃、誰もが親や先生など、身近な大人から一度は言われたことのある言葉ではないでしょうか。コミュニケーションが生きる術とも言えるヒトにとって、相手の気持ちになる=他人の心を予測することは、肉食動物が狩りの技術を磨くくらい大切なことではないでしょうか。

理化学研究所脳科学総合研究センターの研究チームが、人の脳が「相手の気持ちを考える」ために「他人のココロのシミュレーションによる学習」と「他人の行動観察による学習」を統合していることを、世界で初めて科学的に解明しました。この2つの脳の行動は、「相手の気持ちを考える」ときに、脳はどちらの学習を行っているのか、いずれも有力な説でしたが、実は双方を統合したものが最も適切であることが突き止められたのです。

「相手の気持ちを考える」、すなわち自分と関わりのある人に対し、私たちはその人の心や行動を予測します。しかし私たちは「他人の心」を直接見ることはできないのに、どうして予測することができるのでしょう。これについて「自分の心のプロセスを基にして、他人の心のプロセスをあたかも自分のプロセスとして実現する」〝シミュレーション説〟と、「シミュレーションは不必要で、他人が何にどう反応するかのパターンを学習して、他人の目に見える行動を当てている」〝行動パターン説〟がそれぞれ有力視されていました。

今回の研究では、2つの説の脳計算モデルを構築し、その脳計算モデルが適切であれば、挙動に対する充分な脳活動を示すはずとして、fMRIを利用して脳活動を計測しました。そしてデータ解析によって、個々の脳計算モデルよりも、両方の計算モデルを統合した脳計算モデルの挙動が、行動データと最も対応することが発見されました。

この成果は、将来、対人関係障害などの精神疾患の究明や、多様な価値観を学び対処する社会性を持つコンピューターやロボットの開発への貢献が期待されます。

君は君、我は我なり、他人の価値観を学ぶ脳機能の解明理化学研究所



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投稿者 kksblog : 2012年06月28日 16:20


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