●外国語活動の環境の整備状況、教育委員会と小学校の意識に大きな隔たり (2012年06月04日)
公益財団法人 日本英語検定協会により、英語教育研究センターを通じて、『小学校の外国語活動に関する現状調査』が実施されました。
今回の調査の結果では、公立小学校の高学年(5~6年生)では両学年とも「年間23~35時間」「36時間~70時間」併せて93%の学校が新学習指導要領に基づいた時間数で行っていることがわかりました。
なお、低・中学年(1~4年生)の実施時間を昨年度実施した同内容の調査結果と比べると「0時間」「1~3時間」が前年度から2~5ポイント程度上昇しています。これに対し時間数の多い項目「4~11時間」「12~22時間」は、2~7ポイント減少しました。
こうした現況をふまえて、「外国語活動実施に際しての環境の整備状況」の質問に対する教育委員会と小学校の両者共に「ALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)の小学校訪問頻度」は75%以上が十分であると答え、「教材」「教具」「指導計画・指導案」など授業に必要となる指導材料部分においても、昨年に比べ70ポイントまで数字があがっています。
反対に、小学校の約74%が「全く整っていない」と答えたのが、「5・6年生と1~4年生の担当教員の情報交換体制」ですが、教育委員会の半数はそう感じていないとの回答結果。
また、「校内研究会・研修会の実施体制」に関しても、「整っていない」と答えた小学校が昨年の51.4%から60.7%と大幅にポイント数があがっているのに対し、教育委員会では53.2%が「整っている」との結果となりました。
一方で問題点や課題については、教育委員会では昨年と同様に「指導者(担当教員)の質・技術」続いて「指導内容・方法」となりました。しかし、この2項目の差が小さくなり、導入後の現場では指導内容・方法の課題のウェイトが高まった結果となりました。
教育委員会を対象とした設問のうち、小学校の外国語活動に関する教員研修については、「実施している」または「実施する予定である」との回答は6割弱。前年度の66.6%よりも下がっています。一方、「実施していない」は、34.9%で、前年度の24.8%から約10ポイント増となり、減少傾向が顕著に出る結果となりました。
外国語活動に関してはまだまだ問題があるようです。教育委員会と教育現場での意識の差を埋める工夫も必要でしょう。
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投稿者 kksblog : 2012年06月04日 09:10