●「お母さんにやさしい国」ランキング 日本の「やさしさ」はどのくらい? (2012年05月21日)
世界的な子ども支援の団体、セーブ・ザ・チルドレンでは、5月8日の母の日に「母の日レポート2012」を発刊し、保健、栄養、教育、政策決定への参加など、世界165カ国の母親を取り巻く状況を総合的に考察し、順位付けした「母親指標」を発表しました。この母親指標は、助成指標と子ども指標のデータをもとに順位が出されています。
母親指標のトップ10の多くはヨーロッパ、特に北欧の国々が上位にランクインしています。また、ニュージーランド、オーストラリアもそれぞれ4位、7位と上位で、これは女性指標の高さが母親指標の高さにつながっているようです。日本は、子ども指標は3位にランクインしているものの、女性指標が36位とふるわないために、母親指標は30位という結果になっています。
子ども指標は5歳未満の子どもの死亡率、栄養不良率、義務教育の就学率、安全な水の利用率などが比較対象となっています。乳幼児の死亡率の低さ、義務教育の就学率の高さなどが、日本の子ども指標の順位を上げているようです。一方で女性指標は、産婦死亡のリスクや女性の正規教育期間などについては、その水準は低くないと推察できますが、産休・育休制度、女性の国政レベルでの参加率が女性指標上位の国とは大きく水をあけられています。
女性指標1位のノルウェーと比較してみると、産休期間がノルウェーでは最大46週間であるのに対し、日本はわずか14週間、産休期間中の給与支給額についても、ノルウェーは最大100%、日本は67%です。また、国会議員における女性の割合についても、ノルウェーでは約4割なのに対し、日本はその3分の1にも達していません。まさに現在大きな課題となっている、待機児童の問題がそのまま反映されているようです。
多くの途上国では、栄養不良などにより多数の子どもが死亡や発育阻害に追い込まれています。また経済成長が必ずしも栄養問題の改善につながるとは言えないなど、世界の子どもを守るためには、経済的な支援だけでは不十分だと言えそうです。しかし、今の日本にその余裕があるでしょうか。自国のお母さん達にやさしくできる、ゆとりのある国になることが、世界の国々を支援することにもつながるのではないかという気がしませんか。
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投稿者 kksblog : 2012年05月21日 22:13