●何にでもなれる魔法の細胞?「iPS細胞がひらく未来週間」日本科学未来館 (2012年05月28日)
日本科学未来館では「iPS細胞がひらく未来週間」を6月13日から18日の期間開催します。iPS細胞とは「何にでもなれる」万能細胞のひとつで、科学技術振興機構、京都大学の研究によって開発に成功したものです。イベントや体験を通じて、iPS細胞研究の今を知ることができます。
このイベントは、幹細胞研究に関する国際学会・国際幹細胞学会(ISSCR)の日本初開催に合わせて実施されるもので、学会の協力のもと、第一線で世界的に活躍しているゲストが招かれています。その最たるものとして、6月18日(日)には、iPS細胞を樹立した、京都大学の山中伸弥氏と、クローン羊「ドリー」を生みだしたイアン・ウィルマット氏が登場するシンポジウムが開催されます。
6階のドームシアターガイアでは会期中、大型映像作品「Young Alive!〜iPS細胞がひらく未来〜」が上映されます。小学校6年生の少女の成長物語にのせて、3DCGとアニメーションで未来に可能性を秘めるiPS細胞について紹介する作品です。
5階の常設展示「世界をさぐる」では、体験コーナー「iPS細胞を見てみよう!」があります。京都大学と理化学研究所で作製された、ヒト由来のiPS細胞と、iPS細胞からつくられた、網膜の組織細胞を展示しています。実際のiPS細胞の姿を、顕微鏡をのぞいて観察することができます。期間中は、「iPS細胞がもたらすこれからの再生医療」というタイトルで、科学コミュニケーターのサイエンス・ミニトークも開催されます。
iPS細胞は、患者自身の細胞から樹立できることから、再生医療への活用が期待されています。実用化にはまだ課題がありますが、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植が実現することが期待されています。皮膚の細胞から病気をなおす細胞を作り出す、そんなSFのような技術が今、現実となろうとしているのです。最先端の技術の片鱗を、このイベントでのぞいてみませんか。
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投稿者 kksblog : 2012年05月28日 14:32