●理数系科目学習者の昇進・就業形態・平均所得に関する調査が行われました (2012年04月27日)
京都大学の西村和雄経済研究所特任教授らの研究グループは、2011年2月、「日本の大学卒業者の学習内容と現在の年収について」、アンケート調査を行い、1万3059名から回答を得ました。そのうち理系学部出身者は、4083名(平均年齢44.4歳)で約3割、一方の文系学部出身者は、8976名(平均年齢42.5歳)で約7割でした。
この調査は、以下の理由から行われました。
現在、日本の子どもの理科離れが拡大しています。そこで、日本の製造業の競争力に与える影響を見るため、この調査を行いました。調査では、学習指導要領改訂の影響も視野に入れながら、考察を行いました。
具体的な調査の内容としては、大学卒業直後の就職パフォーマンス(つまり、初職の企業規模・就業形態)と、現在の就業パフォーマンス(つまり、現職の職位・現在の所得)について、理系学部出身者における理科学習の偏りと、文系学部出身者における数学学習の偏りにより、どのような格差が生じているか?についての調査でした。
結果、理系学部出身者に関しては、物理を得意とする人が、化学や生物を得意とする人よりも、初職においても大企業に正規従業員として就職する割合や、現職において役職者である比率が高く、所得も高いことがわかりました。特に、すべての世代において、物理を得意としている人が相対的に低い非正規比率となっている点は注目されます。
文系学部出身者に関しては、大学入試で数学を受験した人が、受験しなかった人よりも、初職において大企業に正規従業員として就職する割合や、現職において役職者である比率が高く、所得も高いことがわかりました。
これは、大学選びや専攻する学科の参考になる内容ですね。
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投稿者 kksblog : 2012年04月27日 01:25