●私大の入学費用は家庭にとって重い「私立大学新入生の家庭負担調査」 (2012年04月22日)
子どもを私立学校に通わせるのは大変、家を出て下宿することを考えると、相当の出費を覚悟しなければならない―子どもが生まれると、たとえまだ赤ちゃんや幼児のうちでも、そういう話を耳にすることがあります。それほど先々のことを考えて準備をしなければならないほど、日本で大学に通わせるということはお金のかかることなのです。
民主的な大学づくりをめざす運動や、私大助成運動などを行っている団体、東京私大教連では、「私立大学新入生の家計負担調査」を発表しました。これによると、自宅外通学者では、「受験から入学までの費用」は212万円、「入学の年にかかる費用」は298万円、この入学費用を9割以上の家庭が「重い」と感じていました。
調査した世帯の「税込年収」は、全体の平均が895万8000円となり、また6割以上の家庭が共働きで収入を得ていました。私大における「入学の年にかかる費用」のおよそ298万円は、税込み収入の実に3分の1を占める額になります。最も額が大きいのは「私大初年度納付金」で、いわゆる入学金、授業料、寄付金です。自宅外通学者はこの他に住居費、仕送り、そして入学金、交通費などを含む受験費用もかさみます。
長引く不況の影響か、仕送りの額は年々減少傾向にあり、出費が落ち着く「6月以降」の仕送り額をみると、ピークとなった1994年の12万4900円から年々下がり続け、2011年は9万1300円で、過去最低額となっています。仕送りの中で多くを占めるのは家賃で、2011年度は仕送りの66.8%となり、1986年以降、過去最高となりました。
この他、奨学金の申請が過去最高になったり、入学費用を借入れした家庭が2割を超えたりと、家計と学費の厳しい状況が見て取れます。国の財政も厳しい状況ですが、だれでも等しく教育を受ける権利を持つ以上、それを行使できるような環境、制度作りを期待したいですね。
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投稿者 kksblog : 2012年04月22日 01:37