●国際宇宙ステーションでの活動がもたらす、人類への恩恵 (2012年03月13日)
昨年は、古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に第28次/第29次長期滞在クルーとして約5ヶ月半を宇宙で過ごしました。その間、宇宙用高感度ハイビジョンカメラを駆使した宇宙からの生中継を行い、その他にも科学館、病院などと交信イベントを行うなど、宇宙を身近に感じさせてくれました。しかし、ISSでは毎日どのようなミッションを行っているのか、具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか。
ISSでは、そこに居住できるようになったほぼ直後に、研究者は日常生活の様々な面に対する微少重力やその他の宇宙の効果を研究し始めました。地球ではできない革新的な実験に取り組んでおり、現在すでに、ヒトの生活に対するメリットが示されています。JAXAのホームページでは、この人類への音型に関して、人の健康、地球観測と災害への対応、グローバル教育、というカテゴリに分けて紹介しています。
人の健康については、これまでにISSに長期滞在した宇宙飛行士が、日々骨粗鬆症の予防に努めていたり、筋力を維持するためのトレーニングを行っていることから、微少重力の人体への影響を調べていることについては知られているでしょう。この他にも、医薬品の開発につながる高品質タンパク質結晶生成実験や、ワクチン開発などが行われています。
ISSは遠隔操作ではなく、宇宙飛行士がリアルタイムでは見る者を観測し、説明することが可能です。別名「地球の観測と診断ステーション」とも呼べるのです。古川宇宙飛行士の滞在中には、2011年8月、9月に日本を襲った台風や、タイの洪水の状況を即座に撮影し、地上に営巣が届けられました。また、3.11の時には津波からの洪水の画像、製油所の被害による海へのオイル流出の状況等を地上に送りました。
古川宇宙飛行士が行った地上交信は、グローバル教育のひとつです。さらに世界中の生徒、教師、一般市民が画像取得や乗組員との無線接続によって、宇宙に接続できるプロジェクトや、宇宙飛行士により開始され、地上の人がつないでいく「宇宙連詩」など、さまざまな試みが成されています。
華やかな打ち上げや帰還は注目されがちですが、滞在中に行われているさまざまな実験についても目を向けてみると面白いでしょう。古川宇宙飛行士が医師であるように、宇宙飛行士の職業は「宇宙飛行士」だけではないということも分かります。これから人類はどのように宇宙とつき合っていくのか、もっと考えたくなりますね。
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投稿者 kksblog : 2012年03月13日 10:33