●大量の視覚情報を賢く選別し脳に伝える仕組みを解明~生理学研究所 (2012年02月21日)
自然科学研究機構の生理学研究所が目から入ってくる視覚情報を“くっきり”させて脳に伝える仕組みの一端を解明しました。
ヒトや動物は、目に入ってくる光の信号をもとに、どこに何があるのか、刻々と変化する周りの環境の多くを把握しています。そうしたたくさんの視覚情報の渦から、必要な情報を取捨選択して、脳は整合性のあるイメージを作り出しているのです。生理学研究所の研究グループは、その取捨選択を、目から脳への神経のつなぎ目にあたる中継シナプスが担ってることを明らかにしました。
目から入ってきた多種多彩な視覚情報は、視神経をつたわって、脳に送られる途中で、視床にある外側膝状体とよばれる部分で中継されます。その中継点で、神経のつなぎ目であるシナプスを作っています。
シナプスでは、目からの情報を伝えるシナプスが、5-30個も隣同士に所狭く並んでいる構造をしていることが明らかに。さらに、そのシナプスのうちの一か所に入力(神経伝達物質であるグルタミン酸の放出)があると、そこからグルタミン酸が周囲のシナプスにまで漏出し、まわりのシナプスの反応性を低下させる仕組みがあることが発見されました。そしてこの仕組みによって、目から立て続けに信号が送られてきても、その一部が強調され、その他は取り除かれて、視覚情報を“くっきり”させる仕組みがあることが突き止められました。
目からのあふれんばかりの情報を脳に伝わる前に賢く選別させていた仕組みの一端が証明されたことにより、こうした仕組みは、より人間に近い画像情報処理機能をもったカメラ開発にも応用できるかもしれないそうです。ヒトや動物の賢い仕組みにはまだまだ未知なるものがありそうですね。
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投稿者 kksblog : 2012年02月21日 16:08