●NASA月探査機「グレイル」が教育用カメラ「ムーンカム」で撮影した映像を初公開 (2012年02月07日)
アメリカ航空宇宙局(NASA)は、月探査機グレイルの「エブ」が撮影した映像を公開しました。ここには地球からは見えない月の裏側の様子が鮮明に映し出されています。グレイルは、昨年9月に打ち上げられた双子の探査機です。「エブ」「フロー」という2機の名前は公募で選ばれたもので、モンタナ州の小学校の、4年生のクラスの子どもたちが名付け親です。
グレイルの任務は、2つの探査機によって月の表面重力を性格に計測し、月の内部構造や成り立ちを調査することです。さらに、教育目的のカメラ"ムーンカム"(MoonKAM =Moon Knowledge Acquired by Middle school students)を搭載しており、主に中学生・高校生が、ムーンカムから得られる画像を通して月の様子を知ることができるのです。
このシステムは、アメリカにおける初の女性宇宙飛行士であるサリー・ライドさん率いるサリー・ライド教育財団が運営しており、カメラを運用しているのはカリフォルニア大学サンディエゴ校の学生たちです。このような、完全に教育だけを目的とした機器を搭載している探査機は、グレイルがNASAとしては初めてです。
ムーンカムは、全米の4~8年生を対象にしたシステムで、生徒たちは撮影したい場所をリクエストして、それに従ってカメラの運用センターで撮影が行われます。生徒たちには撮影した画像が送られ、それを使って勉強することができます。すでに2500人以上の申し込みがあり、サリー・ライドさんも予想以上の反響に驚いているということです。ムーンカムを使った画像は、3月中旬以降に順次生徒たちのところに届く予定です。
今回公開された映像は約30秒ほどで、月の北極付近から南極の方向へと飛行しています。移っているのは主に月の裏側で、途中、画像の右側に月最大の衝突盆地とされる、東の海(オリエンタル盆地)が映っているのがわかります。非常に鮮明で、きっとこのカメラで撮影された画像を受け取る子どもたちは、震えるほどの感動と興奮を味わえるのではないでしょうか。
NASA Mission Returns First Video From Moon's Far Side
月の裏側見てみたい?……NASA 月探査機グレイルが撮影した映像を初公開
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投稿者 kksblog : 2012年02月07日 19:19