●産学官連携における「知的財産活動基盤の強化」の実施状況・成果評価 (2011年12月18日)
企業(産)が、技術シーズや高度な専門知識を持つ大学など(学)や公設試験研究機関(官)と連携して、新製品開発や新事業創出を図る「産学官連携」は、産からは時代のニーズや実際の経営に即したアドバイスを、そして学・官からは研究成果、特許などの提供ができるという双方へのメリットがあります。
平成20年度より開始された「産学官連携戦略展開事業」は、平成21年度における事業仕分けの結果、「大学等産学官連携自立化促進プログラム」という補助事業として再構築されました。この事業のうち、平成20年度から22年度までの事業期間が終了した「知的財産活動基盤の強化」について、事業の実施状況やその成果を評価して国民の理解の増進を図るため、「大学等産学官連携自立化促進プログラム」推進委員会において書面調査及びヒアリング審査を実施しました。
これによると、各大学などにおいては、産学官連携部門と知的財産部門を一元化した全額的・横断的な体制の整備、知的財産ポリシーなど基本ルールの策定、教職員などへの知的財産に関する普及・啓発活動、発明届出に対する帰属期間・出願決定などの審査体制の確立、出願からライセンスにいたるまでのマネジメント体制の整備など、知的財産活動の基盤の強化が進んでおり、この事業は着実に進展したと言えそうです。
今後はこれらの基盤をもとに、産学官連携が持続可能な活動として定着し、今後も持続的にイノベーションの創出に貢献していくためには、各機関において、経営戦略の一環として産学官連携戦略を確立すること、連携対背の最適化、人材の育成・確保、民間企業との戦略的な共同研究の推進など、克服すべき課題があります。
大学等研究機関における専門的研究をいかに産業に反映していくかについては、継続して行われていることではありますが、連携を強化すると共に知的財産に関する意識を高める必要がありそうです。また国民や地域住民にその成果が認知されるような取り組みも期待されます。
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投稿者 kksblog : 2011年12月18日 02:05