●東日本大震災は、高校生たちの価値観にどのような影響を与えたか (2011年12月10日)
株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」では、2011年9月に、全国の高校生とその母親を対象に、「高校生と保護者の学習・進路意識」について、インターネット調査を実施しました。この調査のなかで、「東日本大震災が高校生の価値観に与えた影響」について結果が発表されています。
高校生の震災との関係について、「家族・知人が被災した」という回答は東北・北関東で多くなっていますが、「被災地と主体的に関わりをもった」という回答は、全国的に20%前後となっています。この「被災地と主体的に関わりをもった」というのは、被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなどの被災地支援を行ったりしたということです。
「家族・知人が被災した」「被災地と主体的に関わりをもった」高校生は、震災を経て考え方が変化している割合が、平均よりも高くなっています。価値観について、「お互いに助け合って生きることの大切さを強く感じるようになった」「どんな厳しい状況でも生き抜く力が必要だと思うようになった」とそれぞれ7割台が回答しています。
また、大学進学を希望する高校生では、「大学生活を無駄に過ごしてはならないと強く感じるようになった」「大学で学ぶ目的について真剣に考えるようになった」と答える比率が高くなっており、震災を通して、目的を持つことの大切さへの意識が高まっているようです。
さらに「被災地と主体的に関わりをもった」高校生では、「社会に貢献したいという気持ちが強まった」「ボランティアに対する関心が強まった」という回答が5割弱を超えており、全体平均との差が最も大きくなっています。
甚大な被害をもたらした東日本大震災ですが、これからの日本を担う若い世代に、これからの自分、生活に真摯に向き合う気持ちや、互いに助け合うことの大切さへの気づきを残してくれたようです。このような気持ちを大人達が受け止め、将来に向けてサポートしていくことが大事ですね。
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投稿者 kksblog : 2011年12月10日 21:01