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大正から昭和の太陽活動 東京天文台時代の太陽写真をデジタルで公開 (2011年11月27日)

sun_111126.jpg国立天文台太陽観測所は、1917年〜1974年(大正6年〜昭和49年)の期間に観測された、カルシウムK線太陽全面増の写真乾板・フィルムの記録をデジタル化する作業を行ってきました。このおよそ60年分の蓄積データを多くの人に役立ててもらうために、太陽観測所ウェブサイトにて公開を始めました。

この観測、太陽写真の撮影を行ってきたのは、国立天文台の前身のひとつである東京天文台です。1917年、当時東京天文台があった東京市麻布区(現在の東京都港区)で観測を始め、その後北多摩郡三鷹村(現在の三鷹市)へ移転し、観測を続けました。撮影された写真乾板やフィルムは、通算8500日あまりの観測データとして蓄積されています。

これらのカルシウムK線での太陽写真は、スペクトロヘリオグラフという装置を用いて撮影されたものです。スペクトロヘリオグラフとは分光太陽写真儀ともよばれ、単色光の太陽像を撮影する装置です。カルシウムK線は太陽光スペクトルの紫色の波長帯にある吸収線で、この波長の光で撮影した太陽像は、太陽の時期活動の様子や地球への紫外線の放射量をよく表すものとして知られています。

インド・アメリカにも20世紀初めからのカルシウム画像データがあり、これらを合わせると、100年間の太陽活動を詳細に知ることができます。太陽の黒点の観測は400年の歴史があり、その結果、太陽活動には長期変動があることが知られています。一方で磁場観測は始まってまだ日が浅いため、カルシウム画像によって太陽の時期活動の様子を100年前までさかのぼって知ることは、地球への影響を研究する上でもたいへん重要です。

気候や環境について、地球規模で観測・研究が行われている現在、太陽の活動が大きく影響することが知られています。太陽活動の周期を知ることは、地球環境を知ることにもつながるのです。画像データは「Solar Calendar」というページにまとめられており、実際のカレンダーのように見ることができます。一年間の変化をまとめたムービーもあるので、大正から昭和の太陽の様子を眺めてみてはいかがでしょう。

大正時代の太陽の姿がよみがえる:国立天文台 太陽観測所



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投稿者 kksblog : 2011年11月27日 16:01


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