●ダンスのセンスは言語能力に通じている? リズムを予測して踊るインコ (2011年10月30日)
動物が繁殖期に良く見せる、異性へのアピール行動は、よくダンスに例えられます。体を右に左にひねったり、大きく羽や体を広げたりする様は、まさに優雅なダンスのようです。しかしその多くはその動物独自のリズムに乗って動いているのであり、人間が行うような、音楽などの外部刺激に合わせて運動しているわけではありません。
東京大学大学院総合文化研究家の岡ノ谷一夫教授と、JST戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の関 義正研究員らは、オウムの仲間であるセキセイインコがリズムに合わせて机などを叩く、タッピングという動作ができることを世界で初めて確認しました。
これまでに「音楽に合わせてダンスをする」動物は、ヒトのほかにゾウ、オウムの仲間だけでした。そしてこれらの動物の共通点は「発声を模倣する」ということです。これにより、「発声の模倣」は「新たな発声パターンを獲得する能力」であり、「リズムに合わせて運動する能力」はその副産物ではないかという仮説が立てられたのです。
これを確かめるために、オウムの仲間の一種であるセキセイインコの一群を用いて実験を行いました。このインコは一定テンポで点滅するLEDを、その点滅に合わせてつつくよう、訓練されています。LEDの点滅にはピッという電子音も伴い、インコたちは光と音の刺激をテンポの手がかりとします。
鳥たちは餌をもらうのに、6回連続でつつきを成功させないといけません。刺激の間隔を450ミリ秒、600ミリ秒…1500ミリ秒、1800ミリ秒と条件を変えて試しましたが、鳥たちは全ての条件で性格につつくことができました。鳥たちは刺激を受けてから急いでつついているのではなく、リズムに乗って次の刺激が出る瞬間を予測しているのです。
これによって、「発声の模倣」が「リズムに合わせて運動する能力」と関連深いことが裏付けられました。すなわち「音楽に合わせて踊ること」が言語能力と密接に関連していることが示唆されたのです。今後は、リズムへの同調の強さについて各動物において調査していくそうです。
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投稿者 kksblog : 2011年10月30日 00:04